【2018さいたまクリテリウム】レポート(3)レースレポート

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「J:COM presents 2018ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」が、11月4日、さいたま新都心駅周辺に設定された特別コースで開催された。クリテリウム本番レースのもよう、その後の表彰式、インタビューまで詳報する。

レース経過

スタート〜序盤〜中盤

最前列に居並ぶ最有力選手たち
談笑するアレハンドロ・バルベルデ(左)とゲラント・トーマス(右)

序盤から日本人選手を中心に見せ場を作ろうと逃げを試みる場面が多く、めまぐるしい展開。最初は佐野淳哉(那須ブラーゼン)を中心とした数人、その後は別府史之、中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパヴィオーニ)、平井英一(チーム右京)、ワウト・ポエルス(チームスカイ)が逃げ集団を形成する場面が続く。しかし、スプリントポイントが多くの周回で設定されていたため、そのたびにアレクサンドル・クリストフ(UAEエミレーツ)、マルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)、マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)らの動きに吸収される。

最終盤

形成された先頭集団

14周目、スペシャルチームとしてともに戦う別府と新城幸也(バーレーン・メリダ)が2人でアタック、前の活性化を図る。15周目にはその動きに反応し、マイヨジョーヌのゲラント・トーマス(チームスカイ)、アルカンシェルのアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)が飛び出し、別府、新城とともに先頭集団を形成。そこへ後ろから山岳賞狙いのヴィンツェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)がブリッジして追いつき、豪華な面々の先頭集団に。

ここで、この5人は勝利を目指し全員でほぼ平等に先頭交代、17周目に入った時点で後続との差を26秒差まで広げる。同周後半、トーマスがそこからさらにアタック。バルベルデがそれに付いていく。

ここで新城ら残りの3人は数秒離れるが、山岳賞ポイントを可能な限り取りきって賞を確定させたニバリが、チームメートの新城をアシスト。3人の先頭で走り続け新城に力をためさせ、その意を汲んだ新城が最終周に入る直前に先頭の2人に追いつき追い越して、コントロールラインを通過。このまま日本人初優勝か?と観客は沸き立つ。

最終周〜ゴール

しかし、折り返し前のアンダーパスの高低差を生かし、トーマス、バルベルデが新城を捉え、折り返し後の同じアンダーパスで2人が新城を突き放す。必死に食らいつこうとする新城だったが、最終コーナー前までに追いつけず、脱落。

最終コーナーを先頭で折り返した2人のうち、位置取りで有利になったバルベルデが、スプリント力を生かし押し切った。コーナーの続くテクニカルコースという特徴を活かし、勘どころをおさえた的確な攻略で、世界選手権王者の貫禄を見せつけた。

新城は3位を守り、さいたまクリテリウムでは自身初の表彰台。ともに最後まで戦った別府史之選手は5位。

終了後会見

優勝したアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)

優勝 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスターチーム)

「アルカンシエルを着ての初勝利を挙げられて嬉しい。これほどの観衆が来てくれたことに驚いた。幾重にも集まり声援を送ってくれて感謝している。アリガト」

2位のゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)

2位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)

ペースがとても速かった。序盤はキツくて耐える展開だったが、徐々に走れるようになってきて、最後は考えていた展開になったと思う。沢山のファンが声援を送ってくれ、その雰囲気は地元イギリスのレースを思い出すほどだった」

3位 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ)
※このレースでは「ツールドフランスジャパンチーム」として出場

「6回目の出場だが、実は表彰台に昇ったのが初めてで、非常に格別な思い。序盤から速く、2-3周目で集団が壊れるくらい速かった。別府さんが常にそばでアシストしてくれたので、(最後の)前3人に残れた。また(同じ所属先の)ニバリも助けてくれ、なんとか優勝争いに加われた。(これだけアシストを受けたので)勝たなきゃという責任感があったが残念」

「2019年のツールのコースについては、登れなければ勝負にならないな、という印象。もう少し登れるように練習したい。今年のツールには出られず、寂しさがあった。というのは今年のコースは自分のフランスの住まいの目の前を通っていて、今でも練習で道を通るとその痕跡を見てしまうから。自分はツールを7回完走しているが、考えてみればこれほど出場したレースは他にない。今回のレースで表彰台に登ったことで、来年に向けて思いを強くすることができた」

5位の別府史之選手(トレック・セガフレード)

5位 別府史之(日本、トレック・セガフレード)
※このレースでは「ツールドフランスジャパンチーム」として出場

「新城選手と連携をとって戦略を立てて、彼をアシストするかたちになり、最後は前の2人に向けてを新城選手に期待して送り出すというかたちになった」

「今年はアジアツアーランキング2位で、ポイントはしっかり取れた。(所属先のトレックと)2年契約を延長したし、来年からは(UCIポイントが)オリンピックの選考に絡んでくるので、集中して取り組みたい」

正式なリザルトなどは公式サイトで確認できる。

J:COM presents 2018 ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム レース結果

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