現在オリンピック代表枠を争っている増田成幸選手を擁する宇都宮ブリッツェンが、この月曜日、2020年10月12日に開催されるスペインでのUCIレースに出場することがさきほど発表された。このレースには代表枠をともに争う中根英登選手、石上優大選手が所属するチームも出場するとみられ、10月17日の選考期限ギリギリでの「ガチンコ対決」が実現することになりそうだ。レースの模様はYouTubeで生放送される。
10月12日開催のUCI1.1レース「プルエバ・ビリャフランカ・デ・オルディシア」
宇都宮ブリッツェンがさきほど出場すると正式発表したのは、スペインバスク地方で長年開催されている地元では有名なクラシックレース「プルエバ・ビリャフランカ・デ・オルディシア(UCI1.1)」。このレースに、現在代表枠を争うポイントランキングで3位につける増田成幸選手をエースに盛り立て、今シーズンで引退を発表している大久保陣選手などを含むベストの布陣7人で臨む。なお増田選手に関しては、偶然にも昨年日本代表チームとしてこのレースを走っており、プロファイルを熟知している点も有利なポイントだ。サイクルジャパンがこの点を質問したところ、その点は考慮しておらず、たまたま参加できたのがこのレースになったとの回答だった。7人はすでに現地入りし、入国時のPCR検査も無事陰性とのことで、出走に向け準備万端だ。
このレースには、ランキング2位の中根英登選手、4位の石上優大選手が所属するNIPPO・デルコワンプロヴァンスも出場予定。大会のWebサイトにはチーム名しか掲示されていないが、状況から見てこの2人は出場するとみられる。特に注目されるのは、2位の中根選手(282ポイント)と3位の増田選手(274.8ポイント)のポイント差がわずか9ポイント弱であること。選考ポイントの計算には、UCIレースの格、順位によって違う係数が設定され、獲得したUCIポイントを増算することになっているが、ポイントはただひとつ。増田選手がこのレースでもし25位以内に入り、中根選手がポイントを獲得できなければ順位が逆転する。選考期間は2020年10月17日までとなっていて、その後のUCIレースはほぼないことから、このレースが事実上の「ガチンコ一発勝負」の最終決戦となったかたちだ。
このレース出場にあたって、エースとなる増田選手と帯同する清水監督のコメントも寄せられた。
チーム関係者のコメント
出場選手(数字はゼッケン)
151 増田成幸
157 鈴木譲
155 大久保陣
152 堀孝明
154 西村大輝
156 小野寺玲
153 小嶋渓円(テスト生)
増田成幸選手のコメント
コロナウィルスの影響で選考期間の延長が5月末にJCFから発表されましたが、
国内で開催されるはずだったUCIレースが全て中止になる中、私たちは全てのチャンスを奪われ、
文字通り“指をくわえて待つだけ”という状態でした。しかし、こうしてレース参戦のチャンスに恵まれて、それを実現するために多くの皆さんに応援を頂き、
スタート地点に立てるんだと思う事で、今までとは全く違う気持ちで毎日を過ごしています。
この遠征を実現できたのも、いつも宇都宮ブリッツェンを応援してくれるファンの皆さんと、
チームを支援してくださる多くの企業様、皆さんあっての事です。改めてですが、本当にありがとうございます。この感謝の気持ちを胸に大切なチームメイトと一緒に今シーズン最後のレースを
しっかり走ってこようと思います。一方で、国内に残ってJプロツアーを戦うチームメイトもいます。どちらの活動も応援をよろしくお願いします。
清水裕輔監督コメント
出場の機会を与えてくれた主催者、支援者に感謝しております。
また、今回の遠征にあたり多大なる協力を頂いた方々にも感謝しております。
また出場の発表が遅くなり、すみません。
UCIレース参戦にあたり、ライバルチームからの圧力があり、
その圧力を避けるために発表が遅くなりました。チームとしては突然の欧州レース初参戦が決まりました。東京五輪出場と共に、
今後につながる活動となるようしたいと思います。国内組も意義を理解し、それぞれで目標を達成できるように活動いたします。
海外組、国内組、両方にエールを送ってください。
大会はYouTubeで生放送予定
「プルエバ・ビリャフランカ・デ・オルディシア(UCI1.1)」のスタートは、現地時間2020年10月12日10時となっており、日本時間では17時となる。YouTubeで無料配信されるので、オリンピック出場をかけた大一番をぜひ見届けていただきたい。