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【2024宇都宮ジャパンカップ】クリテリウム:ワールドチームの矜持、いきなり見せた世界の戦い スクインシュが駆け抜けリドル・トレック5連覇

©2024UJC

ロードレースの前哨戦として2016年に初開催され、宇都宮市の目抜き通りを走り抜ける都市型レースも今年で13回目。すっかり宇都宮市民の秋の行事として定着した感のある風物詩が、季節外れの蒸し暑さの中開催された。レースの模様を詳報する。

1周2.25km x 15周回のクリテリウムはここ数年高速化が激しくなっているが、今回はまた違った様相でハイスピードなレースとなった。スタート直後その号砲を鳴らしたのは、前日のチームプレゼンテーションで今季限りの引退を発表した畑中勇介(キナンレーシングチーム)。

そこに、海外ワールドチームの実力者たちが次々と取り付いてゆく。スイス王者のマウロ・シュミット(スイス/ジェイコ・アルウラー)、ニールソン・パウレス(アメリカ/EFエデュケーションファースト)、トムス・スクインシュ(ラトビア/リドル・トレック)、マテイ・モホリッチ(スロベニア/チームバーレーン・ヴィクトリアス)、アントワン・ウビー(フランス/スーダル・クイックステップ)、ローガン・カリー(ニュージーランド/ロット・ディステニー)がブリッジし、畑中やサポートしようとした新城雄大(キナンサイクリングチーム)、山本元喜(JCLチーム右京)らを蹴落とすハイペースで逃げ集団を形成していく。

この展開を受け、クリテリウム4連覇中のリドル・トレックをはじめ、他のワールドチームも取り残されまいとこぞって逃げ集団に選手を送り出す。アンドレア・バジオーリ(イタリア/リドル・トレック)、マイケル・ウッズ(カナダ/イスラエル・プレミアテック)、アントニー・ペレス(フランス/コフィディス)、ジャンマルコ・ガロフォリ(イタリア/アスタナ・カザクスタン)がそれぞれ取り付き、6周目を終えたところで気がつけば「海外チームだけで逃げ集団が形成される」という、これまでの歴史の中で初めての展開となった。

 

8周目を終えた時点で、一度後方に下がっていたシュミットを引き連れるかたちでブレイディ・ギルモア(オーストラリア/イスラエル・プレミアテック)が合流を果たし、11人の集団に。後ろの集団と23秒の差をつけ、さらに容赦なく引き離して30秒以上の差を築き、逃げ集団の中での勝利を確定させた。残りの周、逃げ集団に2人入り込めたイスラエル・プレミアテックとリドル・トレックが、それぞれチームメイトと走りながら意思疎通を図り、最後のゴールスプリントのイメージを固めてゆく。

©2024UJC

最終周に入ったと同時に、その実現に向け仕掛けたのはリドル・トレック。ラストラップを知らせる鐘が鳴り響くなか、トムス・スクインシュが単騎で飛び出し揺さぶりをかける。マイケル・ウッズが追い縋ろうとしてきたところで、今度はアンドレア・バジオーリが他の動きを制御するように前に出て牽制をかけ注意を惹きつけた。

©2024UJC

そしてつられて前にポジションをとった面々の間隙をつき、いったん後ろに下がっていたスクインシュが再び駆け出し大きくまくっていく。最後は大きく手を広げアピールする余裕を見せゴール。勝ち慣れているリドル・トレックが磐石の連携で、クリテリウム5連覇の偉業を果たした。

RESULT

1

トムス・スクインシュ(ラトビア/リドル・トレック)

2

マウロ・シュミット(スイス/ジェイコ・アルウラー)

3

アントワン・ウビー(フランス/スーダル・クイックステップ)

4

ブレイディ・ギルモア(オーストラリア/イスラエル・プレミアテック)

5

ニールソン・ポーレス(アメリカ/EFエデュケーション・イージーポスト)

6

マテイ・モホリッチ(スロベニア/バーレーン・ヴィクトリアス)

7

アンドレア・バジオーリ(イタリア/リドル・トレック)

8

アントニー・ペレス(フランス/コフィディス)

9

ジャンマルコ・ガロフォリ(イタリア/アスタナ・カザクスタン)

10

ローガン・カリー(ニュージーランド/ロット・ディステニー)

表彰式後、勝利を祝うファンと記念撮影するスクインシュ。ジャパンカップならではの光景のひとつだ

勝利コメント ー トムス・スクインシュ(ラトビア/リドル・トレック)

ピーダスンを勝たせる戦略だったが、逃げができたら誰かを入らせようということだった。2人逃げに加わることができ、追走も抑えることができた。クリテリウム5連覇はとても栄誉あること。その力になれて嬉しい。


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