【2025宇都宮ジャパンカップ】ロードレース点描/日曜夜まで楽しむのが、ジャパンカップの流儀です

レニー・マルティネスがワールドクラスの実力を見せつけた日曜日のロードレース。日本で開催されるサイクルロードレースの中で、間違いなく最高峰の戦いを見られる貴重な機会を毎年楽しんでいる方も多いと思うが、宇都宮ジャパンカップの楽しさはレースだけではなく、観戦スタイルや関連イベントへの参加も大きな要素だ。来年以降、楽しむためのガイダンスになればと様々紹介したい。

レース中はこんな楽しみ方で

ジャパンカップをレース中にもっとも楽しめるのが、やはり古賀志林道の登りだ。今年のレースも、勝負が決まったのはこのヒルクライムだった。最大勾配約14%にもなるこのエリアは、必死の形相で山頂へ挑んでいくライダーをじっくりと至近距離から見られるメリットもあって、多くのオーディエンスが沿線に陣取って声援を送っている。

その中でも「推し」がいるオーディエンスは、本場の流儀にならって選手たちへの応援メッセージをコース上に書き込むのが恒例だ。ヒルクライムなので、選手たちは登りでもがいている間、これらのメッセージをほぼ必ず目にすることになる。多くのメッセージを、選手通過後の移動中に見るのもよし、自分も書き込みに参加して楽しむのもいいだろう。

沿道だからこそ、こうした応援パネルを手作りして「推し」の選手たちを勇気づけることもできる。

最近はコスプレして観戦を楽しむ人たちも多い。その中でも、去年も紹介したが目立ち度ナンバーワンなのが恐竜コスプレ軍団。去年と比べてお子様も加わり「進化」していたのが印象的だった。

ロードレース終了後のパーティに参加する

ロードレース終了後、オリオンスクエアで開催された「アフターパーティ」。宇都宮市長も顔見せし、日本チームの多くが参加する恒例イベントだ

ジャパンカップを楽しみ尽くすなら、ロードレース終了後に開催されるアフターパーティに参加するのがマストだろう。有料だが格安(今年は2,000円1フード1ドリンク付きで、運営目線で見ると完全に手弁当レベルの良心的価格)で、多くの選手やサイクルロードレースファンと交流できるうえに、豪華プレゼントが当たるチャンスもある。今年はより多くのファンに楽しんでもらいたいと、チームプレゼンテーションや表彰式が行われるオリオンスクエアで開催された。

新城幸也所属のソリューションテック・ヴィーニファンティーニの面々も飛び入り参加

レース後の開放的な雰囲気のなかで、選手たちの見せる和やかな表情やファンサービスを目の前で楽しめる、ジャパンカップならではの企画。実は別取材(後述)で一時中座してしまい全てを目にしてはいないのだが、引退する小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)がステージで弾き語り(尾崎豊の『15の夜』だったらしい)をして盛り上げるなど、選手や関係者とともに「打ち上げ感」を満喫できる機会なのだ。

パーティではプレゼントが多く提供されるのも嬉しいところ。バイクや非売品アイテム、サイン入りポスターなど多くのアイテムが提供されたが、今年の目玉のひとつは、クリテリウムとロードレースの勝者であるジョナタン・ミラン(イタリア/リドル・トレック)とレニー・マルティネス(フランス/バーレーン・ヴィクトリアス)がテレビカメラにサインしたガラスパネル。こうした「今年だけ」のアイテムをゲットできるチャンスも楽しめるのである。

おまけだが、アフターパーティではこうした予定された企画以外にも、サイクルロードレース界隈ではお馴染みの関係者がはっちゃけてくれるのも楽しいところだ。日本実業団自転車競技連盟副理事長、日本自転車普及協会常勤理事、ツアー・オブ・ジャパン組織委員長のほか多くのレースで解説を務め、サイクルロードレース界隈を支えてくれている元プロロードレーサー、栗村修氏のもうひとつの顔が垣間見えるのもお楽しみポイント。今年も『居酒屋栗村』を開店しステージまわりで選手たちとここだけのトークを展開した。ちなみにこの一枚は、段取りが悪かったのかパーティ開始直後にこの黄色いパネルがステージに置かれてしまい「出オチ」状態になってしまったのを、あえて仁王立ちになることで取り繕った時のもの。この機転の良さはもはや芸人の域だ(みんな知ってる)。

コアなファンとの交流も楽しもう

アフターパーティに駆けつけるファンたちは、ほぼ全員サイクルロードレース、ジャパンカップが大好きな同好の士。参加するならぜひ臆せずどんどん交流を楽しむことをおすすめしたい。SNSで有名なファンともお話しできるチャンスもあるのだ。

今年SNSで盛り上がったのはこの和装美女。すべて手縫いで、その精密さと芸の細かさが話題となったが、アフターパーティにも参加して選手たちからサインを着物に書いてもらっていた。ジロの頃から構想し、ツールが始まると縫い始めるそうだが、時間がかかるのでブエルタを見ながら追い込みをかけて縫い上げる労作だそうだ。素晴らしすぎます!

パーティはひとつだけではない

なお、この公式のアフターパーティだけではなく、各チームが行うパーティもある。今年は「EFエデュケーション・イージーポスト」をサポートする人気サイクルアパレルブランド、Rapha(ラファ)が3年ぶりにポップアップを展開。場所は、実はオリオンスクエアから道を渡ってすぐ、しかもアフターパーティとまったく同じ時間にこちらでもクローシングパーティを行うとあってお邪魔した。

会場ではアルコールを含むドリンクとおつまみが提供され、DJ卓から軽快な音楽も流されるという、ラファらしいパーティ仕様。ファンが思い思いに語り合っていると、アジア最優秀選手賞を獲得した留目夕陽を含むEFエデュケーション・イージーポストの選手、監督が来場。質問に答えるなど、こちらでもジャパンカップならではの交流の機会が持たれた。

こちらの会場では毎年、古賀志林道でもSNSでも話題になるマリオコスプレのご家族に会えました。今年はタイミング悪く撮影できておらず、ここでお会いできて個人的にはかなり嬉しかったです

宇都宮ジャパンカップは、日本でも世界でも公式レースのカレンダーのほぼ最後に位置するため、観客だけでなく選手、関係者も「シーズン最後の開放感」を楽しむ場所ともなっている。そのためファンとの交流の機会も多くあるので、現地で観戦するならできるだけ参加することをおすすめしたい。では来年もぜひ現地でお会いしましょう。

サイクルジャパン:

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