中国のシェアサイクル、後発企業「Hello Global」が国内トップに
2019年1月6日、中国のMaas企業「Hello Global(哈囉出行)」が、2019年の年次報告書を発表した。自転車部門では「Mobike」「Ofo」など先行企業を追い抜き、登録ユーザー3億人以上を抱える中国最大の自転車アプリになったと発表した。
中国内360の都市で事業運営、自転車シェアは260都市
Hello Globalの事業展開の特徴は2つだ。1つ目はカーシェアも含めた複合的なMaaSサービスを展開していること。2つ目は先行企業と違い、地方都市での事業展開を重視しネットワークを広げていることだ。現在、電動自転車のレンタルサービスを全国260、カープールサービスを300以上の都市で運営しているという。事業ポートフォリオを複数持ち、展開拠点を多く持つことで経営的にも安定しており、中国国内のデータマーケティング企業「Quest Mobile(貴士移動)」の発表によると、Hello Globalの2019年6月におけるアプリの月間アクティブユーザー(MAU)が2190万、Alipay(支付宝)上のミニプログラムでMAUが4160万で月間アプリランキング1位に立った。同時期のMobikeは1,318万MAU、Alipayミニプログラムでは3,580万MAUだった。このHello Globalの将来性を見込み、Alibabaのフィンテック部門であるAnt Financialが積極的に支援しており、これまで計18億ドルを支援している。財政的な安定を得て、Hello Globalはこれからもシェアトップを守り続けそうだ。
シェアサイクルが国内に浸透、ナイトタイムエコノミーを下支えする存在に
同社は報告書の中で、興味深い統計も発表している。2019年末の時点での同社登録ユーザーの年齢別ポートフォリオを見ると、40歳以上の世代が全体に占める割合が20%以上に達し、2018年と比べて増加した。また2000年代以降生まれのユーザーも約10%をとなり、ほぼ全世代へ浸透してきていることが示された。
使用時間帯の統計では夜間の利用が全体の19.39%を占めており、2018年と比べて約2倍の増加だという。つまりシェアサイクルが都市の夜間における公共交通機関の空白を埋める点でも大きな役割を果たすようになっていることを示唆している。中国の内陸都市において、シェア自転車の利用が最もアクティブな時間帯、場所、ルートなどのビッグデータを分析すると、成都、杭州、広州など、「不夜城」と言われるような都市では夜間もその利用が活発だったという。