日本のチームでツール・ド・フランス参戦を目指すプロジェクト、発足!「JCL TEAM UKYO」発表
ジャパンカップに沸く宇都宮で、日本全体のサイクルロードレース界を揺るがす驚くべき発表が行われた。クリテリウム表彰式直前に、ジャパンサイクルリーグ(JCL)の片山右京チェアマンが登壇。新チーム「JCL TEAM UKYO」を2023年に発足させ、他チームから日本を代表するサイクリスト、監督を結集、最終的にはツール・ド・フランス参戦を目指すと表明した。
これまでになかった野心的、かつ衝撃的な発表にどよめきと歓声渦巻く
片山チェアマンが会場に登壇し、いきなり予告もなく発表した新プロジェクト。それは自らのチームとJCLのトップクラスの選手・指導者を集結し、日本最強のチームでツール・ド・フランスを目指すという壮大かつ野心的なものだった。直前に行われていた宇都宮ブリッツェンの来季体制発表で、清水裕輔監督とチームの象徴ともいえる増田成幸選手の退団が発表され、会場は「一体何が起きているのか」とどよめきが起きた後だけに、さらにこの衝撃は拍車をかけた。
片山チェアマンが発表した新チーム「JCL TEAM UKYO」陣容は以下のとおり。新チームは2023年からUCIコンチネンタル登録チームとして活動し、基本的にヨーロッパツアーを中心にレース参戦。2025年以降にグランツールへの出場を目標とするという。最終目的はもちろん、ツール・ド・フランスだ。
「JCL TEAM UKYO」2023年体制
代表:片山右京(JCLチェアマン)
総監督:橋本聖子(参議院議員、元日本自転車競技連盟会長)
監督:清水裕輔(from宇都宮ブリッツェン)
所属選手:
増田成幸(from宇都宮ブリッツェン)
山本大喜(fromキナンレーシングチーム)
岡 篤志(fromEFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)
小石祐馬(fromチーム右京)
ネイサン・アール(fromチーム右京)
レイモンド・クレダー(fromチーム右京)
石橋 学(fromチーム右京)
武山晃輔(fromチーム右京)
さらに2名を追加予定
「今回の発表はあくまでスタートアップ。みんなで作っていきましょう」
ステージの司会進行のサッシャ氏が、台本を見ているにもかかわらず「まだ頭に入ってこない」と言ってしまうほどの内容。観客もあまりの衝撃に、当初はどう受け止めて良いのかわからない様子だったが、総監督に就任する橋本聖子氏がビデオメッセージで「ツール・ド・フランスのような大舞台で活躍するヒーローが現れれば、多くの人々に夢と感動を届けることができる」と語り、さきほどブリッツェン退団を発表したばかりの増田選手が「限りある残りの選手人生をどこに使うか考えた時、このチームは日本のロードレースを変えていけるチームだと思った」と熱い想いを明かすと、大きな歓声と拍手が起きた。
最後に再びマイクを向けられた片山チェアマンは「みなさん、野球の話で恐縮ですが、大谷選手がメジャーリーグでベーブ・ルースの記録を超えるなんて思っていましたか?このプロジェクトは色んなことを言われると思います。でもやらなきゃ何も始まらないんです。すべてを育てなければいけないなかで、これはまだスタートアップ。みんなで信じてもらって、作っていきましょう」と呼びかけた。この熱さに、観客はひときわ大きな歓声と拍手で応えていた。
なお発表に合わせ、チームの公式ページも公開された。今後追加予定の2名の名前や、活動スケジュールなどもここで明かされていくとみられる。