コロナ禍で日本人選手が次々と帰国 各国が外出禁止、練習できず苦渋の決断
新型コロナウイルスの感染拡大の勢いが止まらない。イタリアでは累計の死者が中国を越え、スペイン等欧州各国でも日毎に感染者が爆発的に増大している。各国政府の中にはここ数日、イベントや店舗の営業禁止措置だけでなく国民に外出禁止を課すところも出始めた。屋外で練習すらできない状況にある選手たちも多い。日本人選手たちは、そのほとんどがチームの求めもあり帰国したようだ。
NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンスの日本人選手は
いまヨーロッパに拠点を置くチームで、日本人選手がもっとも多く在籍するのは「NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス」だ。フランス籍のUCIプロチームということで政府の外出禁止措置の煽りを受けてしまい、所属選手全員が外でトレーニングができない状態。コンディション維持が極めて厳しい状況を脱するため、チームは日本人選手に帰国するよう求めた。
http://atsushi-blog.jugem.jp/?eid=192
ツール・ド・台湾後、直接フランスに戻りましたが、コロナウイルスの影響でヨーロッパのレースが全て中止。さらに、フランス国内でのコロナ感染の状況が悪化したため、火曜日のお昼に日本に帰国しました。今後のレーススケジュールは不明ですが、ひとまず、日本で時を過ごします。
Photo:Sonoko TANAKA pic.twitter.com/PnTdfNvWES— ISHIGAMI Masahiro / 石上 優大(イシガミ マサヒロ) (@m_ishigami193) March 20, 2020
私は、元気です👋
今フランス🇫🇷に居るんですが、現在、外出禁止令が出されていて家から出れていません。
許可証があっても自宅周辺での散歩程度でまともなトレーニングは出来ない状況です。
トレーニングは、主にジム🏋️やコアトレーニング💪ZWIFTでローラー🚲に乗ってまるで冬場みたいです🤣 pic.twitter.com/AugxucS0db— 𝘍𝘶𝘮𝘪𝘺𝘶𝘬𝘪 𝘉𝘦𝘱𝘱𝘶 (@Fumybeppu) March 20, 2020
チームには岡篤志、石上優大、中根英登、別府史之の4人が在籍しているが、中根選手はツールド台湾終了後たまたま帰国していた。岡と石上の両選手はチームの指示に従い帰国。別府選手はフランスの自宅に留まり、自宅内でトレーニングを続けているようだ。
状況によっては帰国しない選手も
他のトップ選手の状況だが、チームの拠点の状況により判断が分かれているようだ。
チームからの要請もあり急遽帰国しました
チームのコーチからローラーのメニューも出してもらったので、二週間、自宅でみっちりローラー練習に励みます僕は元気です!
今自分に出来ることを精一杯やって、(まだいつか分からないけど)次のレースに備えます!@NTTProCyclingpic.twitter.com/GuPPGOpOsR— IRIBE Shotaro / 入部 正太朗(イリベ ショウタロウ) (@IribeShotaro) March 20, 2020
とうとうイタリアも外でのトレーニングが厳しくなった。UCIは4月末までレース中止のアナウンス。チームからは帰国命令が下される。トレーニングして、庭で日向ぼっこするスローライフを満喫してストレスフリーだったが、流石に外で乗れなくなると話が別だ。さて。今日は荷物準備して最後の日向ぼっこ。
— Marino Kobayashi (@MRNkobayashi) March 19, 2020
Instead of meeting people, meeting these cows 🐃 of course, taking social distances each other ↔️
🐃 🐃 👧🏻 🐃I’m just scary to get close with them, though😅 pic.twitter.com/xL5hf4ynt9
— eri yonamine (@YonamineEri) March 20, 2020
💪🇳🇱💪🇳🇱💪
Handcycleも一緒にtraining#Tokyo2020 で会いましょう!#Paracyclingpic.twitter.com/WX5nTvTjcP— Kyosuke Takei (@takeikyosuke) March 21, 2020
NTTプロサイクリングの入部正太朗選手は、チームの要請に応じて帰国したもよう。この時期の帰国者には、日本政府から2週間の自宅待機要請が出されており、入部選手もそれに従い帰国後も室内トレーニングを続けるとしている。
ルーマニア籍の国内チーム、ジョッティヴィクトリア・パロマーに所属する小林海選手はイタリアに拠点を置いているため、帰国を余儀なくされたようだ。
女子で五輪切符をほぼ手中にしている與那嶺恵理(アレ・BTCリュブリャナ)は現在オランダに拠点を置き、コーチの武井きょうすけ氏とトレーニングを続けているもようだ。SNSアカウントでは練習の様子がアップされている。
いずれにしろ、UCI(国際自転車競技連合)が少なくとも4月末のレース停止を表明し、改めてアナウンスするまでレース再開を求めないとしているため、いつまでこの状況が続くか不明だ。全ての選手が不安を抱えたまま、それぞれの環境でトレーニングを続けることになる。