新型コロナ再拡大でレース中止の動き広まる 「パリ〜ルーベ」も中止決定
欧州のサイクルロードレース界に、再びコロナ禍の影が忍び寄っている。オランダやフランス北部などで先月半ばから感染者が再び増大しており、9日、主催者のA.S.O.が10月25日に開催予定だった伝統のワンデーレースのひとつ「パリ〜ルーベ」の中止を発表した。
「ビンクバンク・ツアー」の一部ステージ中止など、再びレース開催に影響
「北の地獄」「クラシックの女王」と呼ばれ、伝統的なワンデーレース「モニュメント」のひとつに数えられる「パリ〜ルーベ」。本来は4月中旬に行われる大会だがコロナ禍で延期を余儀なくされ、10月25日に日程が再設定されていた。しかし欧州では先月中旬から新規感染者数が再び増加しており、春の流行を上回る勢いを見せはじめている。フランスでは新規感染者が1日2万人弱にまで増加、現在パリ、マルセイユなど大都市圏において飲食店の営業停止など、再び厳しい感染抑制措置が実施されている。さらに、10日から「パリ〜ルーベ」の開催地域である北部リール地域、リヨンやグルノーブル、サン=テティエンヌなども同様の措置を実施することが政府から発表され、主催者団体A.S.O.(ツール・ド・フランスなど主要レースの運営団体)は9日、レースの公式ホームページで開催中止をアナウンスした。
欧州では春に実施された強力なロックダウンの効果もほぼ消え去り、イギリス、オランダ、フランス、イタリアなどで新型コロナの猛威が再び勢いを増している。今回の「パリ〜ルーベ」のほかにも、つい先日まで開催されていたオランダ・ベルギーをまたぐステージレース「ビンクバンク・ツアー」では、感染拡大の勢いが激しくなったオランダでのステージは政府の措置にあわせてキャンセルされ、一部のステージのみで争うかたちになっていた。また、同じオランダで開催される予定だった、これも伝統あるクラシックレースのひとつ「アムステル・ゴールドレース」も先週中止が発表されている。