日本のトップ選手、新城幸也も所属するUCIワールドチーム「バーレーン・メリダ」が、来季2020年シーズンから「バーレーン・マクラーレン」へ名称変更することが明らかになった。トラック用バイクなどの開発経験もあるF1コンストラクター、マクラーレンの技術力と資金を得て、さらなる飛躍を目指す。
マクラーレンから人材も投入、メリダはサプライヤーとして継続
大物選手の移籍など大きな話題を提供してきたバーレーン・メリダから、さらに大きなニュースが飛び込んできた。来シーズンから、F1のコンストラクターとして知られるマクラーレンがメインスポンサーの1つとして加入。F1の参戦を続けながら、プロサイクリングシーンにも大きくコミットすることになった。
この大きな変更に伴い、来季よりチーム名を「バーレーン・マクラーレン」とし、ロゴやチーム体制も大きく変更する。F1や自社ブランドの市販高級スポーツ車を手がけてきた幹部スタッフであるジョン・アラート氏が共同チームマネージャーとして入るほか、2000年代にクラシックレースで活躍した元選手のロジャー・ハモンド氏も加入し体制を強化する。なお、現メインスポンサーのひとつであるメリダは撤退せず、バイク等を提供するメインサプライヤーとしてチーム支援を継続する。
これまでも自転車にコミットしてきたマクラーレン
このニュースを意外に思う向きも多いと考えられるが、マクラーレンはこれまでもプロサイクリングへの関わりをしっかりと持ってきている。有名なのは来季チームに加入するマーク・カヴェンディッシュとの繋がり。トラック選手としての輝かしい戦歴を持つ彼だが、世界選手権ロードレースを制した2011年大会では、同社とスペシャライズドが共同開発したバイクに跨った。そのカヴェンディッシュが来季移籍するチームにコミットするわけで、かつてのプロジェクトの復活とも言えるだろう。またトラック種目で東京オリンピックを目指すと公言する彼を、同国企業であるマクラーレンがチームを通じてサポートすることは、ある意味国家的な意味合いも含まれるかもしれない。
来季新たな体制となるチームで共同チームマネージャーとなるジョン・アラート氏は「マクラーレンのレースの血統は、世界で最も技術的に進歩したスポーツでの数十年にわたるパフォーマンスに基づく。 この知識をエリートサイクリングに適用することを楽しみにしている」とコメントしている。