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リコール発表のキーロック「一発二錠」、完了わずか2% 代替部品供給遅れも原因か

電動アシスト自転車などに搭載されていた、キーロックとハンドルロックを同時に行えるブリヂストンサイクル製造の「一発二錠」のリコールが今年6月に発表されたが、2019年12月現在、これまで対象部品の2%余りしか改修できていないことが明らかになった。代替部品の供給遅れも指摘されており、メーカー側の早急な対応と、ユーザーの点検、申告が求められる。

転倒の危険あり、経済産業省も注意喚起

2019年6月24日、ブリヂストンサイクルは消費者向けに「重要なお知らせ」を発表し、同社が2003年9月から2015年5月に製造したハンドルロック「一発二錠」を搭載した自転車・電動アシスト自転車について無償点検・改修を行うと発表した(同時に、同製品を電動アシスト自転車「PAS」シリーズに搭載していたヤマハ発動機も発表している)。「一発二錠」は後輪のキーロックで施錠すると、ハンドルがロックされて盗難の可能性が減らせるという特徴を持つ製品で、リコール発表時までに販売された数は約343万台。リコール理由はハンドルロックケース破損などの原因で誤作動し、ハンドル操作ができなくなったことによる転倒事故が複数発生したため(うち重傷3名)。深刻な理由だけに、経済産業省も同日にお知らせを掲載し「ケースが破損していたらすぐに自転車の使用を中止してください!」と強く注意喚起した。

経済産業省、メーカーのお知らせ文書より

対象商品は本体のラベルが黒色で、かつカバーが破損しているもので、該当する商品を使用しているユーザーは、ブリヂストンサイクル、ヤマハ発動機にそれぞれ連絡すれば無償点検・改修が受けられる。もちろん現在も対応可能だ。

リコール開始から約半年、ほとんど改修進まず

しかしリコール開始後半年近く経過したいまも、ほとんど対象商品の改修が進んでいないことが明らかになった。メーカーのブリヂストンサイクルによると、2019年12月10日現在で点検と改修が完了した自転車は、わずか7万4000台。リコール対象約343万台のうち、約2%しか進捗していないことになる。この要因は周知が進んでいないことも考えられるが、代替部品の供給遅れも原因だと一部から指摘されている。対応する自転車店によると、部品調達に半年あまりかかり、その間顧客に待ってもらっているという。改修が完了しなければ、乗車中意図しないタイミングでハンドルロックする危険性が放置されるわけで、事実上その自転車は乗れないことになる。メーカーは事態の深刻さに正面から向き合い、部品調達を改善すべきだと声が上がっている。

ブリヂストン製のいわゆる「ママチャリ」「電動アシスト付自転車」、ヤマハの「PAS」シリーズに一時期多く搭載されていた製品なので、心当たりのある方はこの機会に、自身の持つ自転車が対象かどうかチェックをおすすめする。チェック方法はそれぞれのメーカーのお知らせページに連絡先とともに掲載されているので、下記を参照してほしい。

ブリヂストンサイクル:ハンドルロック「一発二錠」搭載自転車・電動アシスト自転車の無償点検・改修のお知らせ

ヤマハ発動機:【無償修理】ハンドルロック「一発二錠※1」搭載電動アシスト自転車の無償点検・改修のお知らせ

サイクルジャパン:

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