キャニオンの新型エアロバイク 「エアロード」正式発表　ハンドル幅と高さが交換なしで調整できる！

ドイツのハイエンドバイクブランド「CANYON（キャニオン）」から、今シーズンすでにUCIワールドツアーで実戦投入されている新フラッグシップモデル「Aeroad エアロード」が正式発表された。先日のレースでもこのモデルを駆るマチュー・ファンデルプール（オランダ／アルペシン・フェニックス）が複数のレースで優勝を遂げるなど、その性能はすでに証明されているといえるだろう。

初代の鮮烈デビューから6年、満を持して登場

モビスター、アルペシン・フェニックス、アルケア・サムシック、キャニオン・スラムといったトップチームにバイクを供給するキャニオン。その中でトップライダーが選ぶのは、ステージレースでの総合優勝を狙うための「Ultimateシリーズ」と、スプリントステージや丘陵コースで速さを競う「Aeroad」だ。特に、2014年にデビューしたAeroadは、ツールをはじめとして数々のモニュメントを含む最高格のワンデーレースで勝利を挙げ続けるバイクとしてすでに評価を確立している。その初代を超えるものを送り出すべくキャニオンは2016年から開発をスタートさせていたがそのハードルは高く、自信を持って超えると言えるようになるまでに4年の歳月を要したという。

空気抵抗-7.4W、ねじれ剛性+14％を果たした新型フレーム

今作のエアロダイナミクス設計には、F1チーム「ザウバー」出身のエンジニアが設立したSWISS SIDE社と協業。F1カーの空力改善に使用されるスーパーコンピュータによるCFD解析と、スチールの骨組みに3Dプリントされた部品を取り付けてテストを行うという、これもF1で採用される手法をサイクリング業界で初めて取り入れ風洞実験を繰り返すことで、現行モデルよりも空気抵抗を7.4W減少させることに成功した。

また素材面では、繊維強度と弾性率という、相反する要素を同時に追求したカーボン素材、東レ・トレカM40Xを採用。さらにフレームチューブ形状の最適化、シートポスト、コクピット、スモールパーツの一つ一つに至るまで設計し直し、170gの軽量化と、ねじれ剛性の14%向上を達成した。

クイルステム式一体型ハンドルで調整幅向上

新Aeroadの特徴はそれだけにとどまらない。CP0018と名付けられたステム一体型ハンドルは23cm幅の中央部分と左右のドロップ部をボルトで固定する3ピース構造を採用。分割式とし、ハンドル幅を3段階で調節可能になった。例えばMサイズのフレームにはステム長100mmのCP0018が搭載されているが、ハンドル幅は390/410/430の3つから選ぶことができる。さらに、CP0018はフォークコラムを覆うように差し込むクイルステム式設計で、コラムをカットせずにハンドル高を15mm調整することも可能だ。一体型ステムでありながらハンドル幅と高さを交換することなく調整できるという、これまでには考えられなかった画期的な利便性を提供している。

スタックを高く、リーチを短く。より幅広く使えるジオメトリーへ

新型Aeroadではハンドルを低く、遠くというプロ向けジオメトリーから、前作よりもMサイズでスタックを9mm高、リーチを5mm短くしており、より幅広いコースプロファイル、ライダーにフィットするジオメトリーとなった。これは、プロライダーのモデル選択結果やサイズ診断システムPPSで得たデータを評価したところ、プロライダーを含め多くのライダーは若干アップライトなポジションを好む、という結果が得られたからだという。

また適応タイヤ幅はトレンドを踏まえ最大で30mmで、完成車として標準でプリセットされるのはフロント25mm、リア28mmと幅を変えている。これはフロントには幅の狭い25mm幅のタイヤを装着し空力性能を引き出す一方で、リアはエアロの影響が少ないため、快適性やトラクション確保のため幅を広めにするという理由がある。これに合わせてBBハイトも設計されている。

全てにおいて速さのために設計し直された新Aeroadは、10月7日からキャニオンのWebサイトでオーダーが可能だ。

キャニオン Aeroad ラインアップ

Aeroad CFR

Aeroad CF SLX