中国でシェアサイクル利用者が急増、新型コロナウイルス感染防止で着目か
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中国で、ウイルスから身を守れる通勤手段として、シェアサイクルが人気になっているようだ。中国国内のシェアサイクル事業者が利用者状況のデータを公開し、春節後の各企業の操業自粛期間以降、いずれも利用が大幅に増えていると報告している。
大手事業者の利用者数が急上昇
データ公開しているのは中国のシェアサイクル大手、Didi(滴滴打車)。同社が提供するレンタル自転車アプリ「Qingju(青桔単車)」の利用者件数は、業務再開初日の2月10日から、それまでの休日期間と比べ急上昇しているという。同社によると、広東省南部の地域では2月17日の自転車乗車件数は2月10日に比べ30%高く、バス停や地下鉄の駅、スーパーマーケット周辺ではさらに利用者数が増え、約50%の上昇が見られたところもあるという。また同じく最大手といわれるHello Global(哈囉出行)もデータを公表しており、最近の利用ピークは2月10日で、北京、上海、広州、深圳などでは63%〜104%もの利用者数の増加が見られたとしている。一般的に、シェアサイクルの利用においては冬は利用者が減少するシーズンとされており、現在の利用増加は実に異例だという。
感染対策も策定中、消毒作業も進行中
並行して中国当局と各事業者は協調して、感染防止のための衛生規格の策定に動いている。中国城市公共交通協会は2月17日、業界共通の衛生規格を設定する旨の草案を発表。この草案策定には、旧 Mobike(摩拜単車)を運営する Meituan(美団)や、大手Hello Global、DiDi の Qingjuなども参加しており、3月末に正式に公開される見込み。また各企業は中国全土の100を超える都市で、設置している自転車の消毒を実施する予定だ。