絶対王者タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)を支えるイタリアのロードバイクブランド 「COLNAGO(コルナゴ)」が、最先端テクノロジーを詰め込んだ新しいエアロロード「Y1Rs」を発表した。これまでのどのバイクとも似ていない、新提案のデザインに注目だ。以下、リリースより紹介。
最先端のテクノロジーを駆使し「気流に挑む」
Y1Rs は、ワールドツアーレースの集団の中で最もエアロダイナミクスに優れたロードバイクを目指して設計されました。クラシックレース、グランツールともに勝利を目指すエアロロードバイクです。
コルナゴの到達点、Y字形フロントエリア
Y1Rsのフロントエリアはこれまでのロードバイクと全く異なります。新しいステム一体型ハンドルバー「CC-Y1」は、コルナゴの歴史の中でも最も空気力学的に優れます。CC.01 と比較して、中央領域での空気の流れが分離しないV字型を採用。ハンドルバーとスペーサーを一体化することでもエアロダイナミクスを向上させています。さらに、CC-Y1に合わせてヘッドチューブもタイトになり、正面面積は15%減少しました。
革新的なスタイルを持つY1Rs のフロント部分ですが、UCI規則に則り、空気抵抗に対して最適化されています。
エアロダイナミクスを追求し生まれた、新しいダウンチューブ
レースで使われるフラグシップモデルにこそ、新しいチャレンジが必要です。ホイールから後方への空気の流れを最適化するため、コルナゴは Y1Rs で新しいダウンチューブ形状を採用しました。
ホイールに沿って湾曲するダウンチューブ形状は、コルナゴとミラノ工科大学の共同研究によるものです。CFD(数値流体力学)に基づき、UCI規則を遵守しながら空気抵抗を最小限に抑える最適な形状を導き出しました。
ワイドヘッドセット
UCI規則の変更によりヘッドセット側面部のワイド化が可能となりました。Y1Rs のヘッドセット側面部は幅が広くなり、前方からの気流速度を上昇させます。ヘッドセットベアリングは小型化し、フォークがヘッドチューブと部分的に一体化することでも車体前方からの気流を効率的に後方へと流せるようになりました。
「Y」字型!革新的なシートポスト
シートポスト、シートチューブ、シートステーは、2つのY字形が重なった特徴的な形状です。エアロロードバイクは、空気抵抗に最適化するために薄いチューブで構成されます。しかし、それによってフレーム全体が硬くなり、長時間のライドでは痛みを感じてしまいます。Y1Rs は、ダブルY字形のシートポスト形状により、垂直方向の追従性を生み出し、ロードバイク全体の剛性を維持しながら、乗り心地が良くなります。
BSAへの回帰
ボトムブラケットはBSA規格を採用しました。これは、フレーム剛性が高いために可能で、オーバーサイズのボトムブラケットを選択する必要がないため、ロードバイク全体の軽量化に貢献しています。
最速を超える最速
コルナゴは、現在市場にラインナップされているエアロロードバイクと Y1Rs を比較し、どのような風の条件でも、それを上回る性能を発揮することを確認しました。
時速50キロで走行するために必要な出力(yaws 0°÷15°)
モデル | Power 0° [W] | WAD [W] |
---|---|---|
Y1Rs | 103 | 117 |
V4Rs | 123 | 145 |
BEST COMPETITOR | 106 | 126 |
さらに、よりレース環境に近い状態で検証するために、プロのライダーを模したマネキンを使ってテストを行いました。
時速50キロで走行するために必要な出力(yaws 0°÷15°)
モデル | Power 0° [W] | WAD [W] |
---|---|---|
Y1Rs | 103 | 117 |
V4Rs | 123 | 145 |
BEST COMPETITOR | 106 | 126 |
MODEL | RS-SP(sprint position) | RS-ST(seated position) |
---|---|---|
V4Rs | 基準値 | 基準値 |
Y1Rs | 硬さが3.5%上昇 | 同等 |
<検証結果の注意点>
テストは、車体に2つのボトルケージと1つのボトルをセットした状態で行っています。· 水平軸の「Yaw(ヨー)」は翼の入射角です。たとえば、ヨーが 0° の場合、風は自転車の速度と完全に同じ方向を向いており、90° の場合は完全に横風です。科学的な文献によると最も一般的な走行条件は 0° から 12.5° ですが、強い横風があるため、より大きなヨーは一般的には使われません。
· WAD抗力(加重平均抗力)は、さまざまなヨーでの抗力を考慮し、各条件で発生する確率で重み付けします(低角度の場合は重みが重く、高角度の場合は重みが軽くなります)。これによって、さまざまな条件下での平均値を取ることができます。つまり、実際の翼とトラックの特徴に応じて、各レースでの平均値は上下する可能性がありますが、それでも横風に対する自転車の挙動を数値化する際には、最も一般的に用いられる手法です。
ジオメトリー
Y1Rs のジオメトリとサイズは、コルナゴがサポートする UAEチーム・エミレーツ および UAEチームADQ からのフィードバックをもとに設定されました。平坦路から起伏のある道まであらゆるコースで最高速度を目指すライダーのニーズに対応しています。
SIZE | HT ANGLE | ST ANGLE | REACH | STACK | FORK LENGTH | RAKE | TRAIL | HT LENGTH | WHEEL BASE | CS LENGTH | FORNT CENTER | BB DROP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
XS | 70.8 | 75 | 368 | 495 | 376.5 | 55 | 61 | 88.5 | 974 | 408 | 577.5 | 74 |
S | 71.9 | 74.5 | 377 | 520 | 376.5 | 49.5 | 59.5 | 108.5 | 976 | 408 | 579.5 | 74 |
M | 73 | 74 | 386 | 540 | 376.5 | 45 | 57.5 | 126.5 | 978 | 408 | 581 | 72 |
L | 73.5 | 73.7 | 395 | 565 | 376.5 | 42.5 | 57 | 150.5 | 987 | 408 | 590 | 72 |
XL | 73.5 | 73 | 404 | 590 | 376.5 | 42.5 | 57 | 176.5 | 1003 | 408 | 606 | 72 |
<V4Rsとの相違点>
HT と ST角度がわずかに急で前向きなため、タックポジション(クラウチングポジション)に対応し、空力とパワー伝達性を最適化。
リーチ/スタック比が増加(リーチ/スタック プロットで曲線が右に移動)し、よりアグレッシブで前傾姿勢をより深く取るポジションに対応。
サイズごとにカスタムフォークを採用し、サイズによって最適なトレイルを維持します。ハンドリングに接密に関わるトレイルは、Y1Rsでは純粋なレース向けに設計されています。直感的なハンドリングとステアリング アクションの応答性が、このモデルのキーワードです。
Y1Rs 製品概要
サイズ:XS / S / M / L / XL
価 格:
フレームセット(CC.Y1専用ハンドルステムを含む)
税込1,188,000円(税抜1,080,000円)
完成車(Dura Ace仕様)
税込¥2,497,000(税抜¥2,270,000)
完成車(Ultegra仕様)
税込¥1,925,000(税抜¥1,750,000)
入荷予定/2025年春頃より順次
Y1Rsプロダクトページ|COLNAGO正規ディーラー
(COLNAGOホームページ)