東京五輪自転車ロードレースのコース案判明、最終決定へ
【訂正:さらなる情報収集の結果、前半部のコースについて修正を加えました】
かねてから調整中と伝えられていた、2020年東京オリンピックのロードレースのコース案詳細が判明した。それによるとスタートは東京調布市のスポーツ施設前で、道志みちを経て山中湖周辺の周回コースを経由したあと、富士スピードウェイをゴールとする約270km。
コースは調布〜道志みち〜山中湖畔〜富士山麓周回
(本編集部で得た情報をもとに作成したルートマップはこちら:前半)
(本編集部で得た情報をもとに作成したルートマップはこちら:後半)
※閲覧環境によっては、一部コースのルートが変更になる場合があるようです。PC環境でご覧いただけますと作成した通りのルートをご覧いただけます
本編集部が周辺の調査聞き取りも含め入手した情報によると、スタートは東京調布市の味の素スタジアム隣に整備され、2017年11月に供用開始予定の「武蔵の森総合スポーツプラザ」前。直後に甲州街道へ入り府中街道にぶつかったところで南下。多摩川を越えて右折、川崎街道の連光寺坂を一度周回するもよう。この付近はJR南武線側、京王線聖蹟桜ケ丘駅側両方ともにサイクリストが多数訪れる、ヒルクライムの名所だ。周回を終えると、接続している南多摩尾根幹線、通称「尾根幹」をJR橋本駅付近まで南下する。こちらも道が広く、適度な勾配と下りが高速に楽しめるルートとして長年親しまれている。
コースはその後国道413号線、いわゆる道志みちに入っていく。ゆるやかなアップダウンを繰り返しながら徐々に勾配がきつくなり、最後は最大斜度10%を越えの山伏峠が待っているこの道も、関東のサイクリストにはおなじみのコース。
山伏峠を越えたあとは目の前に富士山が開けてくるが、風光明媚な日本のシンボルである富士山を何度も楽しんでもらうためか、周回コースが予定されているもよう(周回行程の詳細は不明)。山中湖畔を周回したあと国道469号へ入り、そこから富士山スカイラインへ。ルートから考えれば、おそらく選手たちは富士山を正面に見て、そのまま登っていくような眺望を得るはずだ。
周回の最後は富士スピードウェイが予定されている。ゴールの地をここに選ぶ理由は、当然ここの観覧スタンドを利用するためだろう。優勝を遂げる強者は、視界に入る富士山と、スタンドの多くの観客の両方から祝福を受けることになる。
紆余曲折を経て、ようやくコース確定へ
これまでロードレースのコースについては、2015年12月のIOC理事会で「皇居外苑をスタート・ゴールとする」という内容で承認され、コース選定が進められてきた。しかし2017年5月に国際自転車連合(UCI)の「日本のシンボルである富士山を見られるコース」「選手の実力差が出る起伏のあるコース」との要望から、「都内をスタートし、富士スピードウェイをゴールとする案も含め検討中」と報じられた。報道後、コース候補とされる自治体が相次いで組織委員会や担当の東京都副知事に要望を行う事態になっていた。
一方で、UCIの関係者が2017年6月に、関係者の手引きで実際にこの案とみられるコースを視察していたと報じられ、この案は最有力とみられている。現段階でコース等の競技細目が決まっていない競技は多くないが、準備期間を考えても調整は最終段階とみられ、間もなく正式決定される見通し。