大手シェアサイクルサービスの調査で、シェアサイクル利用者の利用距離と時間が伸びていることが明らかになった。3月と比べそれぞれ30%ほど数字が上昇しているとのことで、新型コロナウイルスの影響で密集を避けるため、自転車通勤目的の利用が増えたものと見られる。また自転車店では購入希望の来客が増えているという。
利用時間、利用距離ともに伸びる
今回調査を行ったのは、ソフトバンクグループでシェアサイクル事業を手がけるOpenStreet。首都圏1都3県の利用動向について、緊急事態宣言が出される前の3月と4月を比較した結果、1回あたりの平均利用時間が54分から70分、1回あたりの平均移動距離も2.7kmから4.2kmと、どちらも割合にして30%余り伸びた。通勤に使っているとアンケートで答えている人のみを対象とした場合、平均移動距離はさらに5kmを越えるという。出勤が必要な人の間で、感染予防のために公共交通機関を避け、自転車通勤する人が増加しているとみられる。
また自転車店でも来客数、販売数が激増しているようだ。全国で約450店舗の自転車専門販売店「サイクルベースあさひ」の運営会社「あさひ」の2020年3月の営業速報によれば、売上高は対前年同月比で21.3%増、客数は同14.1%増、客単価も7.1%増といずれも好調に推移している。首都圏のある店舗によると、人気なのは電動アシスト自転車だという。
新型コロナウイルスの感染拡大はいったんは収まり緊急事態宣言解除となったが、全国の新規感染者数はゼロにならず、むしろ6月に入って再び増加傾向を示している。自粛要請を緩め、徐々にウイルスと共存する新しい生活スタイルに向かう中で、日常の足としての自転車のニーズはますます高まっていきそうだ。