ツールの前哨戦、調整レースとして位置付けられている「クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ」(UCIワールドツアー)は6月16日、最終第8ステージが行われ閉幕した。個人総合は、ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナプロチーム)が2017年以来の優勝を達成した。
個人総合2位のアダム・イェーツが突如リタイヤ
最終日はクリューズからシャンペリーまでの113.5km。短さが際立つが、このなかに6つの山岳が組み込まれており非常に厳しいコースプロファイル。過酷なアップダウンにどれだけの選手がついてこれるか、ツールでの調子を占う意味で注目された。
しかし、レースは前日の宇宙のステージの影響を感じさせるものとなった。総合2位のアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が、山場を迎える前の序盤でいきなりのリタイヤ。当日朝からの高熱に苛まれ、レース続行不可能となった。また総合9位のステーフェン・クラウスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)も、スタートしたものの調子が上がらずリタイヤ。どちらの選手もツール・ド・フランスではエースとしての参戦が確実なだけに、今後のコンディションが心配される。
イェーツがリタイアしたこともあり、総合争いは緊張感を欠くものとなってしまった。メイン集団はレース当初から形成された逃げ集団(13人)を容認し続け、結局先頭から1分59秒差で集団ゴール。前日まで総合トップだったフルサングがそのまま優勝となった。なおステージ優勝は、エースのフルームを落車リタイヤで欠いたディラン・ファンバーレ(オランダ、チーム イネオス)。