チームスカイは2018年4月27日、同チームが5月4日から始まるグランツールのひとつ、第101回ジロ・デ・イタリアにクリストファー・フルームをリーダーとして出場すると正式に発表した。同選手は昨年、喘息治療薬の過剰摂取によるドーピング疑惑を報じられており、UCI(国際自転車競技連合)の附属機関の調査が継続中だ。
フルーム「出場しなければ後悔すると思った」
チームスカイはリリースの中で、フルームが自転車選手として駆け出しの頃はイタリアに住んでレースに出場していたとし、10年ぶりの出場に意欲満々だとした。またフルーム自身は以下のようにコメントした。
「今年はいつもよりピークを少し早く持ってきているが、それでも3連続グランツール制覇という目標は、新しいモチベーションを与えてくれている。
もちろんツールの前にジロに出場することは少なからずリスクがある。でももし今年ジロを回避したら、一生後悔することになるだろうと考えた」
調査は継続中、「早期解決に全面協力する」
昨年のブエルタ・エスパーニャ参戦中の尿検査で検知された喘息治療薬「サルブタモール」の異常値(既報)については、UCI(国際自転車競技連合)の附属機関である反ドーピングユニットでの調査が続けられており、正式な評価の認定と、それに基づいた処分はまだ決定していない。フルームとチームスカイは不正を否定しており、処分が決まるまで自主的に出場を自粛することはせず、フルームは先日開催されたティレーノ・アドリアティコなどUCIワールドツアーにも参戦している。同選手はこの件についても見解を示した。
(異常値の問題は)「自分もまたこの問題を大きなものとして認識しているし、以前話したように、チームとともに早期解決のために全面的に協力する。それと同時に、レースにも重きを置いている。困難を伴うことは理解しているが、絶対にマリア・ローザを獲りたい」
今回チームはフルーム以外の出場選手も発表。エリッソンド、エナオ、キリエンカ、ニース、ポエルス、プッチョ、デラクルスの精鋭を揃え、フルームの昨年のツールから数えての「3連続グランツール制覇」を強力に支援する。
2018年、3大グランツールの最初を飾る第101回ジロ・デ・イタリアは、史上初めてエルサレムからのスタートを迎える。フルームが昨年来からの3連続グランツール制覇を果たし、さらに、ジロとツールの連続制覇という偉業、「ダブルツール」に王手をかけるか。疑惑の行方も含め、大きな注目を浴びそうだ。