別府史之、現役引退を表明 現役17年間、世界主要レースすべて完走
日本人自転車ロードレースの現役トップレーサーのひとり、別府史之選手(EFエデュケーションNIPPO)が6日、自身のウェブサイトで今シーズンをもって現役を引退すると表明した。今後はサイクリングの普及や啓発、プロモーション、育成などを行う「サイクリングプロモーター」として活動していくという。
「日本とヨーロッパを繋ぐ架け橋になりたい」
世界を舞台に長年活躍し続け、日本のロードレースシーンを20年近く引っ張ってきた立役者がついに引退する。6日、自身のウェブサイトで「今までありがとう。そしてこれからも」と題したエントリーを投稿、今シーズンをもって現役を引退することを表明した。それによると、渡欧してアマチュアレースで結果を残し、2005年に当時のトップチームのひとつ「ディスカバリーチャンネル」と契約してから17年間、サイクリングにおける自由を追い求めていたが、パンデミックが起こり今まで当たり前に走り続けられてきたことができなくなり、楽しかった過去を振り返ることが多くなってしまったという。そのことに気がついたとき、プロレーサーとしての章を終え、新しいページを開くときと決断したと述べている。
今後は「今までの経験を生かし、日本とヨーロッパを繋ぐ架け橋になりたい」とし、サイクリングの普及や啓発、プロモーション、育成などを行う「サイクリングプロモーター」として活動していくつもりだと表明。すでに自転車とは関係ないプロジェクトも始めており、近く公表できる見通しだという。
別府史之選手 主な戦歴
2002年 アジアジュニアロードチャンピオン、日本ジュニアロードチャンピオン
2006年 ツール・ド・ロマンディでステージ2位日本人初のUCIプロツアーポイント(現ワールドツアーポイント)獲得
2006年 日本選手権優勝(ロード&タイムトライアル)
2007年 パリ~ルーベに日本人として初めて出場
2008年 アジア選手権ロード優勝
2009年 ツール・ド・フランスで日本人初の完走、最終ステージで敢闘賞を受賞
2011年 日本選手権優勝(ロードとタイムトライアル)
2014年 日本選手権優勝(タイムトライアル)
2018年 アジア選手権チームタイムトライアル優勝
3大グランツールおよび全モニュメントで日本人唯一、すべて完走
グランツール :ツール・ド・フランス1回、ジロ・デ・イタリア4回、ブエルタ・ア・エスパーニャ1回
モニュメント:パリ~ルーベ5回、ミラノ~サンレモ1回、ロンド・ファン・フランデーレン5回、リエージュ~バストーニュ~リエージュ7回、イル·ロンバルディア2回
UCIロード世界選手権8回出場
北京、ロンドンオリンピック出場
上記の戦歴で分かる通り、3大グランツール、5大モニュメントだけでなく、世界選手権、オリンピックと世界の10 大ロードレースすべて完走している現役選手は現在11人しかいない。