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【ジロ・デ・イタリア2021】第2ステージ:メルリールがグランツール初勝利! 有力スプリンター達はゴール前のワインディングロードに沈む

©️RCS Sport

第104回ジロ・デ・イタリアの第2ステージが9日、開催された。終始平坦となったスプリンター向けステージは、ゴール直前の緩やかな曲がり角を繰り返すプロファイルにつかまり有力スプリンターの何人かが埋もれる中、グランツール初出場の実力者ティム・メルリール(ベルギー/アルペシン・フェニックス)が初勝利を挙げた。新城幸也はエースをサポートする役割を全うし、同タイムの125位でフィニッシュしている。

穀倉地帯を進む平坦ステージ、スプリント直前のプロファイルが「曲者」

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この日のステージは、基本的には「ド平坦」と言って差し支えないプロファイル。中ほどに4級の山岳ポイントが設定されているが、プロライダーにとってはちょっとした丘レベルに過ぎない。出発地ストゥピニージ市街からからノバラまでの179kmの多くは、ピエモンテ州を流れるポー川を抱く広大な平原、穀倉地帯ののどかな風景が広がる。おそらく道程のほとんどは、何人かの逃げを早々に容認しノバラ市街までの「移動」を楽しみ、スプリントに備える静かな展開となるだろう。ただ市街に入ると、公式プロファイルには現れない、細かな左右への曲がり角が立ち現れる。スプリント勝利を狙うチームがここまでにどのように最前線を確保するかが、勝利の鍵となるだろう。

地元イタリアの選手たちが逃げを打ち、有力チームは最後の場面に備える

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レースは開始早々、フィリッポ・タリアーニ(アンドローニジョカトーリ・シデルメク)、ウンベルト・マレンゴ(バルディアーニCSFファイザネ)、ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(エオーロ・コメタ)の3人のイタリア人、そして下位カテゴリのイタリア籍UCIプロチームの選手が飛び出す。予想通り集団はこれをすぐ容認し、2分から5分のあいだで差をコントロールしながら道程を進めていく。この流れで4級山岳ポイントの地点まで進み、結果3人が山岳ポイントを獲得。トップで通過したアルバネーゼは、アルベルト・コンタドール氏がディレクターを務める新興チームのエオーロ・コメタに初めての特別ジャージをもたらすことになった。

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その後、メイン集団は待ち受けるスプリントポイント2つに向け逃げ集団との差を詰めていく。残り40km弱の地点にある1つ目は純粋なスプリントポイントだが、残り26kmにある2つ目のポイントには総合成績に影響するボーナスタイムも設定されており、トップを取ることは必須だからだ。逃げ集団を2つ目のポイント直前で捉えたメイン集団では、前日勝利したマリアローザのフィリッポ・ガンナ(イタリア)を擁するイネオス・グレナディアーズがしっかりとコントロールしていたが、そのままガンナが今後のことを考えスプリント、トップ獲得に成功する。この結果、ガンナが前日に引き続きマリアローザをキープすることが確定した。

そしていよいよノバラ市街に入り、スプリントへ向けて位置争いが激しくなる。比較的道幅の狭いところを高速で通り抜けるのに加え、ところどころに緩やかな曲がりがあり、通常のスプリントステージのように各チームが枚数を揃えての位置どりが難しい状態。最後の1kmになって、ようやく有力スプリンターを擁するコフィディス、ボーラ・アンスグローエ、UAEチームエミレーツが数人で前を固めることに成功。残りのチームは少し千切れて遅れてしまい、その中に優勝候補のカレブ・ユアン(オーストラリア/ロット・スーダル)が取り残されてしまった。

最後はアシストのお膳立てを受けたエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア/コフィディス)と、その他チームのアシスト陣の後ろに控えて利用していたティム・メルリール(ベルギー/アルペシン・フェニックス)、ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア/キュベカ・アソス)らがスプリント。直前から最短ルートに近い絶好の位置をキープしていたメルリールがしっかりと伸びきって、先頭でフィニッシュラインを越えた。

勝利したメルリールはあまり知られてない選手だが、いまトレンドの「シクロクロス組」。いまはロードにもスプリンターとして参戦し、グランツール初参戦だがこれまでワンデーレースなどで勝利を挙げ、しかも今年はこれまで3勝。満を待してのグランツール初参戦、初勝利といえるだろう。なおこの日彼はフィニッシュライン上で「W」のハンドサインを掲げたが、これは10年前の2011年5月9日に落車事故でこの世を去った故ワウテル・ウェイラント(ベルギー)に捧げたもの。勝利インタビューでは、ベルギー国内で一緒にトレーニングしたこともある憧れの存在だったことを明かし、追悼の意志を示したかったと語った。なお大会としても、この日はウェイラントに捧げるものとして開催され、スタート前には黙祷が行われた。ウェイラントが亡くなった日につけていた番号「108」は、彼を追悼するため永久欠番となっている。

この日の新城幸也選手(バーレーン・ヴィクトリアス)は、エースのミケル・ランダをエスコートする役割を任されしっかりとこなし、トップと同タイムの125位でフィニッシュ。レース後のコメントでは「最後の1時間は全開だったが疲労を最小限にできた。チームは常にまとまって走れて良いチームワーク。これからも頼もしいが、明日の第3ステージは雨予報。荒れた展開にならなければいいのだが」とコメントしている。

ジロ・デ・イタリア2021 第2ステージ リザルト

1 ティム・メルリール(ベルギー/アルペシン・フェニックス)4:21’09”
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア/チーム クベカ・アソス)ST
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア/コフィディス)ST
4 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)ST
5 ペテル・サガン(スロバキア/ボーラ・ハンスグローエ)ST
6 マッテオ・モスケッティ(イタリア/トレック・セガフレード)ST
7 フィリッポ・フィオレッリ(イタリア/バルディアーニCSFファイザネ)ST
8 ローレンス・ナーセン(ベルギー/AG2Rシトロエンチーム)ST
9 ダヴィデ・チモライ(イタリア/イスラエル・スタートアップネイション)ST
10 カレブ・ユアン(オーストラリア/ロット・スーダル)ST
125 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)ST

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