「箱根八里」をサイクリングの名所に 関係自治体などが社会実験
日本遺産「箱根八里」をさらなるサイクリングの名所にしようと、箱根八里を構成する静岡県函南町、同県箱根町などによる協議会が、2019年11月2日より国土交通省の委託を受け社会実験を実施している。走路の安全性や快適性について意見を集め、危険箇所や道路表示など課題や改善点を抽出するのが目的で、期間は12月8日まで。
12月初旬まで実証実験、モニターライドも
日本遺産「箱根八里」とは、神奈川県小田原市から静岡県三島市を通る約30kmの旧東海道、こ国道1号線とその周辺環境を差し、関係自治体や団体がその資源を活用したアクティビティの創出を目指している。今回の実証実験では大きく3つの内容で行われ、その検証を行うことで今後の可能性を探る。まず設備面で走路に自転車の進行方向を示す「ブルーライン」とピクトグラム(絵文字)、沿道の撮影スポットを示す看板(三箇所)や休憩ができるバイシクルピット(三箇所)を敷設、設置し環境整備を図る。その上で、ガイド付きモニターライドや、シェアサイクルシステム(HELLO CYCLINGを活用)を導入したフリー走行プログラムなどのアクティビティを実際に試行する。
モニターライドは箱根の西と東でそれぞれ行う予定。西方面では、2019年11月30日に三島駅から三島市の山中城跡まで向かい、交通量の多い元箱根港までの箱根峠を、車載ラックに自転車を固定して移動する「バス輪行」で越える実証実験。東方面では11月12日に、小田原から芦ノ湖周辺をガイド付きで周遊するツアーを試行する。
その他、静岡県三島氏では11月9日〜12月8日まで、市街地から函南町の道の駅「伊豆ゲートウェイ函南」までの約20kmをシェアサイクル(HELLO CYCLINGのシステムを活用)で走行し、アンケートに答えるとドリンクを無料提供するプログラムも実施する。
実施主体である箱根八里街道観光推進協議会では、これらの様々な実証実験の結果を検証し、各地域で実施可能な環境整備を来年度以降さらに進める方針だ。