中根英登が来季ワールドチーム「EF Pro Cycling」へ移籍! 昨年のジャパンカップが契機
プロキャリア9年でついにトップカテゴリーへ
ロードレースファンに嬉しいニュースが飛び込んできた。現NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンスに所属する中根英登選手が、2021シーズンからトップカテゴリーの「UCIワールドチーム」のひとつ、EF Pro Cyclingに移籍することが発表された。
中根選手は名古屋市出身の30歳。幼い頃はサッカーをしていたが、父親がコンチネンタルチームに関わったことをきっかけに18歳から自転車にのめり込んだ。すぐに頭角を現し、コンチネンタルチームだった当時の「NIPPO」で2012年にプロキャリアをスタート。その後「愛三工業レーシング」(2014〜16年)を経て2017年に国外UCIチーム「NIPPOヴィーニファンティーニ」にステップアップ、海外のレースで研鑽を積んできた。2019年のチーム消滅後は、NIPPOの流れを汲む「NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス」に移籍。コロナ禍直前の今年2月には、ツール・ド・ランカウイ第6ステージで逃げ切り、海外UCIレースで勝利を挙げる快挙を遂げていた。
中根選手はチームの発表にあわせ、自身のインスタグラムにコメントを投稿。「素晴らしいチーム への移籍が叶い、とても嬉しく思います。
4年間プロチームカテゴリーでチャレンジさせてくれたNIPPO DELKO One Provence、NIPPO VINIFANTINI、多くのアジアツアーを経験させてくれたAisan Racing team。これまでに所属したチームでの経験は今の自分に無くてはならない大切な時間で、そして多くの方々に応援・サポートして貰えて今回のトップカテゴリーチームへの移籍に繋がりました。とても感謝しています」とこれまで所属したチームや関係者に感謝の意と、同時に来季への意気込みを述べた。
チームが発表したプレスリリースによれば、今回の移籍の契機となったのは昨年、2019年のジャパンカップのようだ。このレースでは中根選手が6位に入りアジア人ライダー最先着となっているが、この走りがチーム代表ジョナサン・ヴォーターズ氏の目に留まったとのこと。「先頭グループで登る姿を見て彼の存在を知りチェックしていた。彼を迎えられてエキサイティングだ」とコメントしている。
中根選手が移籍する「EF Pro Cycling」とは
2021年から中根選手が在籍することになった「EF Pro Cycling」チームは、2003年創立のアメリカ籍のUCIワールドチーム。 かつてはガーミンやキャノンデールが長くスポンサードしていた、強固な体制で知られるチームでもある。初期はタイムトライアルに強みを持つ特化型チームであったが、近年は総合系のライダーも所属する、国籍も実績も多様性を持つチームへと変貌している。来季の体制についてはまだ発表されていないが、現メンバーもダニエル・マルティネス(コロンビア)、リゴベルト・ウラン(コロンビア)、ホナタン・カイセド(コロンビア)、アルベルト・ベッティオル(イタリア)、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)、サイモン・クラーク(オーストラリア)、マイケル・ウッズ(カナダ)など、総合系、スプリント系、ワンデーレース/クラシック系でそれぞれ多くの実績を持つ選手たちが数多く所属している。
チームのプレスリリースでは中根選手について、ジャパンカップの成績とツール・ド・ランカウイの勝利を列挙しながら「UCIアジアツアーのステージレースでトップ10フィニッシュを多く経験した、熟達したクライマー、総合系ライダーとして加入する」と紹介。ステージレースの多くの場面で、主にアシストとして期待していることを示唆している。