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【ジャパンカップ2019】ロードレース、モレマが圧巻の勝利 ハイペースのサバイバルを制す

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2019年10月20日、アジア最高峰カテゴリのワンデイレース「ジャパンカップ サイクルロードレース」が宇都宮市森林公園の特設コースで開催された。今年は例年にも増してハイペースの激しい戦いとなり、世界トップレベルの戦いを日本のファンに見せつけた。

新城幸也も所属チームで久しぶりに参戦、別府との競演は今年最後

スタート前のプレゼンテーションで意気込みを語る新城幸也(バーレーン・メリダ)

今年のジャパンカップは、新城幸也選手が所属チームの一員として久しぶりに参戦した。次週の「さいたまクリテリウム(2019年10月27日にさいたま新都心駅周辺の特設コースで開催)」には別府史之(トレック・セガフレード)が出場しないだけに、今年日本のレースでふたりが競演するのはこのレースが最後となる。「久しぶりにチームとしての参戦なので気合が入ります」と意気込みを語った彼、そして別府選手はレース中どう動くのか。

今年も参戦した別府史之(トレック・セガフレード)

序盤からいきなり振り落としが始まる

今年のジャパンカップはこのスタートから様相が違っていた。例年であればは日本のチームの何人かが逃げ集団を構成し、比較的すぐに容認されることが多かったが、今年は海外チームからの逃げがトライされ、いきなりハイペースで主導権を争奪する展開に。早くも3週目に入るところでメイン集団から千切れる選手たちが続出していく。

このハイペースを演出した逃げ集団は以下の8人で、中盤まではこの逃げ集団とメイン集団(昨年に引き続き、宇都宮ブリッツェンが集団を牽引)がおよそ2分弱の間隔でレースが進むことになる。

逃げ集団(8人)

クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
ロバート・スタナード(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・メリダ)
ジェームス・ウィーラン(オーストラリア、EFエデュケーションファースト)
ルカ・ドゥロシ(フランス、デルコ・マルセイユ・プロヴァンス)
マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)
フランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)

 

一気に動かしたのはユンボ・ヴィズマ

10周を越えるまでは、逃げ8人の中で山岳賞など部門賞を争っていく展開
ハイペースに食らいつくメイン集団。常に縦長となり歯が溢れるように遅れる選手が続出した。新城幸也(中央)も中段でペースに耐える

体勢としては落ち着いたように見えるが、例年に比べかなりのハイペース。昨年より1周につき1分近く早い周回を続けていく。逃げ集団のハイペースがメイン集団を疲弊させるという、他のレースではあまり考えられない展開に、途中でレース続行を諦める選手たちが続出した。

すると11週目に動いたのはユンボ・ヴィズマを中心としたメイン集団のワールトツアーチーム。さらにペースアップして逃げ集団を追い詰め、12週目後半には逃げをすべて吸収。エースのステフェン・クライスヴァイク(オランダ)が一気に先頭に躍り出るが、ここでバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)が追いつき、2つのワールドチームがエースの生き残りを巡って激しく争う展開に。クライスヴァイクを守るため、セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ)、ニールソン・ポーレス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ)が12-13周目に立て続けにカウンターをかけてライバルの足を削りにいくが、トレックのモレマ、チッコーネはわずかな差で耐えた。

最後の勝負は13週目の古賀志の登りだった。ユンボ・ヴィズマの攻撃に耐えたモレマは登りでアタックし、他の選手を置き去りに。これについていったのは、マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト)。最後2周はこの2人だけの独走となり、勝負の行方はこの2人に絞られることになる。最終周回のKOM(山頂)でウッズがアタックをかけるが、その後の下りでモレマが追いつき、決着はゴール前のスプリントへ。

森林公園の入り口手前で、モレマがウッズの背後からスプリント。一気に抜き去る勢いに、ウッズは追いすがるも追いつけず、フィニッシュ手前100mで諦めた。モレマがそのままゆっくりとポーズを取りながらフィニッシュラインを越え、自身4年ぶりの勝利を挙げた。トレック・セガフレードは前日のトゥーンスのクリテリウム勝利に続き、ジャパンカップ完全制覇を遂げた。

(左から)2位マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト)、1位バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)、3位ディラン・スミス(ニュージーランド、ミッチェルトン・スコット)

レース後のインタビューで「今回はユンボが最初から強く、終盤でも人数を残していた。ラスト2周の登りで自分で行こうと判断し、マイケル・ウッズと2人で飛び出した。ハードだったが自分のペースを取り戻し登ることが出来た。2015年以来の優勝はとても嬉しい。コースもよく知っていて調子も良かったので楽しみにしていた」と語った。

なお日本人の最先着は中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)で52秒遅れの6位、新城幸也は4分33秒遅れの13位、別府史之はリタイアとなった。今年は出走120選手中、完走者が1/3の40名となり、例年より30分近く早く、平均スピード39.1km/hとなった厳しいレースを象徴するリザルトとなった。