10月15日、例年通りに栃木県宇都宮市の目抜き通りである宇都宮市大通りで「ジャパンカップクリテリウム(2.25km x 15周回、総距離33.75㎞)」が開催された。コロナ禍中断前の2019年に優勝したエドワード・トゥーンス(ベルギー/トレック・セガフレード)が最後のスプリントで抜け出し、3年越しの連覇を果たした。
ワールドチームがレースコントロール、強さを見せたのはやはり
序盤は逃げが決まらず、4周目の最初のスプリントポイントは間隙を縫って抜け出した渡邉翔太郎(愛三工業レーシング)が獲得。その後、ワールドチームがハイペースで集団をコントロールし、その中からニールソン・ポーレス(アメリカ/EFエデュケーション・イージーポスト)が飛び出して中盤の見せ場をつくった。その後、8周目終わりの2回目のスプリントポイントはギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)とポーレスの争いとなり、先行するマルタンを差したポーレスが獲得。その後の12周目の3回目は、ヴィクトル・ポトチュキ(スロベニア/リャブリナ・グスト・サンティック)が獲得した。
その後、新城幸也がアタックを仕掛ける場面もあったが、基本的には飛び出しにはトレック・セガフレードがチェックしコントロール。最終周を迎えるとティム・ウェレンス(ロット・ソーダル)が飛び出して観客を沸かせるが吸収され、最後の集団スプリントに勝負の行方が委ねられる。
チームメイトのコントロール下で、しっかりとチャンスをうかがっていたエドワード・トゥーンスが、アクセル・ザングル(フランス/コフィディス)と頭ひとつ抜け出してのスプリント合戦を制し、見事3年越しの連覇を果たした。3位は岡篤志(EFエデュケーション・イージーポスト)が入り、日本人最高位を獲得した。
最終成績と選手コメント
優勝 エドワード・トゥーンス(ベルギー/トレック・セガフレード)
「3年振りにここ日本に戻ってくることができて本当に嬉しい。沿道の観客も素晴らしくて、まるで僕の住むフランダースの人たちのよう。連覇できてすごくハッピー。チームがコントロールしてくれていたので、勝たなければならないと思っていた。明日のロードレースは上りなので、ジュリア・チッコーネやアントワン・トールク(この日は欠場)のために走りたい」
最後にレース前に引退セレモニーのあった別府史之さんについて、感謝を込めてこうコメントしてくれた。
「最後にフミにおめでとうと言いたい。チームメイトとして、レースでは彼に何度も助けてもらった。素晴らしいセレモニーだった」
2位 アクセル・ザングル(フランス/コフィディス)
「チームメイトが最終コーナー手前でトレックの背後といういい位置に運んでくれた。でも右側にポジションをとってしまった(最後のコーナーで右に回ると大きなロスになる)。悔しいが、順位には満足」
3位 岡篤志(EFエデュケーション・イージーポスト)
「スプリンター不在で、自分で勝負することになった。ワールドチームのジャージを着ていたことでポジション取りもしやすかったし、だからこそ獲れた順位。宇都宮のファンの前でたくさんの応援をもらい(かつて宇都宮ブリッツェンに所属)、初めてジャパンカップの表彰台に登ることができて嬉しい」
途中飛び出して見せ場を作った新城幸也(バーレーン・ビクトリアス)
「今日は初めてこのジャージ(日本チャンピオンジャージ)を来て走れました。お客さんの盛り上がりにはチームもびっくりで、思わず体が動いちゃった感じですね」
公式発表によると、今日のクリテリウムの平均スピードは平均49.0km/hで、開催された5年間のなかで最高値だった。例年にもまして一線級のメンバーが揃っている今回のジャパンカップ、本番となる明日のロードレースはさらに激しいレースが期待できそうだ。