ツール・ド・フランス出場を目標に、海外レースを中心に挑戦を続ける「JCL TEAM UKYO」。今シーズン初戦として臨んだUCIレース「アルウラー・ツアー2024」(2024年1月30日〜2月3日)で、岡 篤志がポイント賞にあたる「アクティブライダー賞」を獲得した。日本人選手が欧州レースで各賞ジャージを獲得したのは、近年では新城幸也、別府史之がツール・ド・フランスで敢闘賞ジャージを獲得した以来で、まさに快挙だ。
最終日、ゴール順で決まる展開に
チーム力でポイントジャージを守り切る
最終日の第5ステージはアップダウンと終盤に総合成績が入れ替わる登りを含めたレイアウト。特に残り13㎞のレイアウトは、序盤の5kmが獲得標高450m登る激坂、その後吹きさらしのストレートを8km走りゴールを迎えるという、クライム能力とスピードを求められるコースだ。JCL TEAM UKYOは、クライマーのペゼンティ選手をエースに、前ステージでモースト アクティブ ライダージャージを奪還した岡選手のジャージキープを狙うステージとなった。チームのミーティングでは岡選手のスプリントポイント獲得のフォローに小石選手、個人総合成績を目指すペゼンティ選手にはカルボー二選手をメインに配置し、他のメンバーも彼らのフォローに回るという作戦。特に岡選手はポイント争いが僅差に6名居るため、57.6km/107.kmに設置されたスプリント賞に向けた動きにしっかりと対応してポイントを奪取する必要があった。
57.6km地点のスプリントポイントは3位までがポイント対象だったが、激しい競り合いに岡選手がついていけず、岡選手と同点で争っているルージャイ バドサイカン選手に1位を奪われてしまい、2位にマルチェッリ選手、3位に小石選手となった。この時点で、岡選手は次の107km地点のスプリントポイントを1位通過しなければジャージを失う展開となった。
次のポイントは107.km地点、残り8kmを切ったところでJCL TEAM UKYOはトレインを形成、利害が一致するクイックステップ勢と猛追にかかり、ポイント直前で前方集団を吸収、無事に岡選手が1位通過、マルチェッリ選手も3位通過し、さきほど追いつかれたバドサイカン選手にポイントを取らせずに同点に持ち込む。これでポイントではなく、ゴール順でジャージの帰趨が決することとなった。
残すはゴールへの最終展開、残り10kmの地点、15%を越える登りの連続にリーダージャージを着るクイックステップのメリエール選手が脱落、間もなく岡選手も脱落するが、しかしポイント同点のバドサイカン選手はその前に遅れていた。
岡選手は45位でゴールし、見事にモーストアクティブライダーのオレンジジャージを手中に収めた。
岡選手コメント
今日は僕が最初の逃げに乗れなかったことで皆に苦労をかけてしまいました。それでもこのジャージを守るために一丸となって動いてくれて、彼らがいなければ全てを失っていました。とにかくジャージを守り切れてホッとしています。これを日本に持ち替えることができ嬉しいです。