メリダからフルサスペンションMTB「NINETY-SIX」シリーズのフルモデルチェンジを発表した。トレイルライドからレースまで幅広く活躍するマウンテンバイクに変貌している。
ジオメトリーを全面的に見直し 下り、登坂両方の性能を向上
ワールドカップと世界選手権での優勝経験もあるフルサスペンションレースバイク「NINETY-SIX」。2008年に登場したこのラインはメリダのMTBの中でも代表的なシリーズだが、最新の2021年モデルは、これまででもっとも進化したと言えるだろう。XC(クロスカントリー)、マラソン、ステージレースだけでなく、軽量なショートトラベルバイクでのトレイルライドでも全開で楽しめるMTB。それが新しい「NINETY-SIX」のコンセプトだ。
最新モデルでは「RC CF4」「RC CF5」の2種類のグレードのカーボンフレームが用意されており、最上級グレードのRC CF5のフレーム重量1695g、RC CF4 (Mサイズ)のフレーム重量1845gと、いずれもMTBとして最軽量級だ。
現代のMTBコースのトレンドは下りでのパフォーマンスを重視するものとなっているため、バイクも適応する必要が増している。そこで新モデルでは、下りの性能と荒れたセクションでのハンドリング性を向上させるべく、ヘッドアングルを 1.5 度寝かせリーチを伸ばし(Lサイズで 449mm から473mmへ)、BB ハイトとスタンドオーバーハイトを下げる形でジオメトリーを変更。これでバイクの安定性が高まり、操作する際のポジションにさらなるゆとりが生まれる。
また下りの性能だけでなく、シートアングルを1.5 度(サイズによっては 2 度)立たせることでペダルにより多くの力を入力できるようになっており、効率性と反応性により登坂性能も向上させている。
サスペンションも刷新 新「P-FLEX システム」導入
しかし優れたジオメトリーも、完璧に機能するサスペンションプラットフォームがあってこそのこと。新型NINETY-SIXでは、レバー比を7%以上に仕上げており、現在のクロスカントリー用ショックの小さなエアチャンバーと完璧にマッチする。トラベル初期での高めのレバー比が、サスペンションを小さな衝撃に対して敏感に反応させ、トラベル中間域になると、優れたサポート性を発揮する。
加えて、今回から新しい「P-FLEX システム」を導入。この新しいシステムは、シートステーとチェーンステーにピボットを持たず、フレーム軽量化と剛性向上をもたらしている。フレーム素材の特性や板バネのようなフレームデザインにより耐久性を損なうことなく、十分なしなりを生み出す。下りや荒れたセクションでの衝撃吸収性を高めただけでなく、優れたペダリング効率を実現する。
その他にも「ワイヤーポート」ヘッドセットを介した新たなケーブルインテグレーションや 2ヵ所のウォーターボトル台座、専用チェーンガイド、トレイルマウントなど、様々なスペックを備えた最新の名を冠するにふさわしいものとなっている。