自転車を映像装置に改造し、走りながら路面に詩を投影するーーサイクリングの心象風景を拡張するような、独自のスタイルで表現するメディアアーティスト志村翔太氏の個展「モビル文学 多摩川アンセム・フォー・マイセルフ」が、2026年2月7日(土)より東京都大田区のギャラリー南製作所で開催される。
世界各地で発表されてきた「モビル文学」、多摩川で紡がれる
「モビル文学」(英: Mobile Literature)は、自転車による移動と投影技術を文学表現と融合させることを目指した連作。映像装置に改造した自転車を用い、各街を舞台に執筆したテキストをその土地の地面に投影しながらサイクリングする。路面の凹凸や自転車の走行速度、街灯や建物の陰など、都市環境と身体の動きに応じた文字が揺れたり歪んだりすることで、物語そのものが、空間や運動の影響を受けながら動的に変化する。
メディアアーティスト志村翔太氏は、こうした都市と身体の相互作用によって生成される作品シリーズ〈モビル文学〉を、日本国内の複数都市に加え、ザンビア、イギリス、エジプトといった異なる文化圏で制作・発表してきた。第一作目を制作した岐阜県大垣市が松尾芭蕉『おくの細道』の結びの地であることを起点に、旅と移動を通じて言葉を紡ぐ芭蕉の精神になぞらえ、本作を世界各地で展開することを志向しているという。
「モビル文学 多摩川アンセム・フォー・マイセルフ」 について
令和7年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業の支援を受けて開催される本展「モビル文学 多摩川アンセム・フォー・マイセルフ」では、作家が生まれ育った川崎サウスサイド、多摩川沿いの「こちら側」と、長い修養の時間のなかで自宅から眺め続けてきた、羽田空港を擁する対岸の「あちら側」という、川を挟んだ二つの場所を舞台に制作された新作を中心に構成される。
境界としての川、移動によってのみ可視化される距離や隔たり、そして個人史と地理が交差する地点から立ち上がるテキストが、展示空間へ再編される。
会期:2026年2月7日(土)– 2月15日(日)
時間:12:00 – 19:00
休廊日:2月9日(月)
会場:ギャラリー南製作所(東京都大田区西糀谷2丁目22−2)
入場料:無料
支援:令和7年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業
キュレーション : 對中優
アートディレクション : 瀬川晃
テクニカルサポート:square4
キービジュアル撮影:坂根大悟
撮影記録 : 對中優
制作協力 : 情報科学芸術大学院大学[IAMAS]・運動体設計、西坂遼
メディアアーティスト 志村翔太 プロフィール
神奈川県川崎市出身。実家は自営業のクリーニング店だった。世界旅行、事業開発を経て、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]博士前期課程修了。場所のナラティブをテーマに、iPhoneや自転車といったモバイルテクノロジーを用いた文字・通信に関わるニューメディア表現を追求している。
近年の主な発表として、個展「Here’s A Bicycle」(2025年、ザンビア・ルサカ)、六本木アートナイト(2023年、東京)
今後の展示予定(グループ展)
- クリティカル・サイクリング展 於:情報科学芸術大学院大学(IAMAS)(岐阜)
2026年3月14日(土)〜3月15日(日)予定 - ENCOUNTERS 於:TODA HALL & CONFERENCE TOKYO(東京)
2026年2月28日(土)〜3月8日(日)予定 - やまなしメディア芸術アワード2025-26 入選作品展 於:山梨県内(山梨)
2026年2月28日(土)〜3月22日(日)予定
お問い合わせ:志村翔太 ホームページ