長野県のサイクルツーリズム拡大へ 県内一周800kmのサイクリングルートを発表
長野県のサイクルツーリズムを盛り上げようと、元オリンピック選手らが関わる「Japan Alps Cyclingプロジェクト」が発足した。官民連携のプロジェクトで、県内のサイクリングルート制定やWebサイトの運営、環境整備を行なっていくという。その端緒として、県内を800kmで一周できる周遊ルートが発表された。
県内一周800kmの「Japan Alps Cycling Road」
Japan Alps Cyclingプロジェクトは、クロスカントリー種目シドニー五輪日本代表で、リオオリンピックではMTB種目の代表監督を務めた鈴木雷太氏が代表を務める官民連携のプロジェクトだ。鈴木氏は現役時代から長野県の環境に魅了され20歳で移住、レースを企画するなど地域に根付いた活動を以前から行なってきた。
このプロジェクトがまず最初に発表した取り組みは、県内を回るサイクリングルートの設定だった。「日本の屋根」と呼ばれる標高 3,000m級の⼭々がそびえ、豊かな森林と清流が織りなす雄⼤な⾃然に抱かれた⼭岳県・森林県である長野県。このメリットを活かし、北アルプス、中央アルプス、南アルプスの3つのアルプスを中心に据えた県内を周遊するサイクリングのモデルルート、名付けて「Japan Alps Cycling Road」だ。トータル距離800km、獲得標高12,000mにも及ぶ日本屈指のダイナミックなルートとなった。今後、ルート周辺に案内標識を設置するなど周知、アピールしていくという。
Webサイトも開設 コンテンツ充実させ情報発信強める
プロジェクト第2の施策として、ウェブサイトの開設も発表された(こちら)。長野県内の風光明媚なルートを動画で紹介するほか、年間通じて開催されているイベントのレポート記事、レンタサイクルスポットやアクティビティの紹介などを行うという。今後、サイクリングコース上のトイレの設置場所、周辺観光施設や、空気入れや工具などを備えたサイクルステーションといった便利な情報も掲載していく。
プロジェクト代表の鈴木氏は、今回設定したルートについて「長野県を自転車で走る楽しみは、空気が澄んでいて景色が変化に富んでいるという点が大きい。南北に200キロ以上あり、アルプスを3つ戴く日本で唯一の場所で、どんなコースを設定してもある程度の高低差があり、同じ山でも季節によって見せる表情は全く違う。自転車ならではの空気を感じ、その土地に暮らす人々や息づく文化なども感じながら走ってもらえたらうれしい」とコメントしている。