欧州の舞台へ日本選手を送り出そうと、長年取り組みを続けている「チームNIPPO」が、2025シーズンのプロジェクトについて発表した。2024年シーズン限りでEFプロサイクリングとの契約を終了し、新たに同じトップカテゴリのUCIワールドチーム「アンテルマルシェ・ワンティ」と提携する。
EFプロサイクリングとは2024年限りで契約終了、新チームとの新体制へ
同チームの発表によると、2021シーズンからスタートしたEFプロサイクリングとチームNIPPOとの提携は、当初の予定通り2024シーズン末をもって終了となった。現在EFエデュケーション・イージーポストに所属する留目夕陽選手、坂本拓也マッサージャー、南野求メカニックは、引き続き個人としてEFプロサイクリングとの契約を継続するという。
2025シーズンからは、ベルギー籍UCIワールドチーム「アンテルマルシェ・ワンティ(Intermarché-Wanty)」と2025年1月からのスポンサーシップを締結。同チームの育成チームで、UCIコンチネンタルチームカテゴリの「ワンティ・NIPPO・リユーズ(Wanty-NIPPO-Re Uz)」の共同タイトルスポンサーとなる。
同チームはアンテルマルシェ・ワンティ が2023年に立ち上げた育成主軸のチーム。結成来の過去2シーズンでヨーロッパU23選手権ロードレースをはじめ、リエージュ~バストーニュ~リエージュU23、ゲント~ウェヴェルヘムU23、フランスU23選手権、ジロ・デ・イタリア・ネクストジェン、ジロ・ヴァッレ・ダオスタなど25勝以上を挙げている。所属した選手のうち9人がプロとなり、そのうち5選手がアンテルマルシェ・ワンティに昇格している。
今回のパートナーシップ締結は、UCIワールドチームであるアンテルマルシェ・ワンティとのシームレスな連携も想定されており、育成チームに所属する日本人選手がワールドチームのメンバーとして世界のトップレースに出場する機会を得ることもあるという。また、日本人スタッフ数名もチームに加入し、選手だけでなくスタッフの応酬の舞台でのレベルアップを狙っている。
今村駿介選手が欧州レースにロードレーサーとして出場へ
さらに、パリ五輪にトラック競技で出場した今村駿介選手がチームNIPPOのサポートを受け、このスキームを活用して欧州のロードレースに出場していくことが発表された。昨シーズンまで所属していたチームブリヂストンサイクリングを退団した今村選手が、どのようなかたちで参戦していくのかは正式発表されていないが、以前からトラックだけでなくロードにも意欲を示しているだけに活躍を期待せずにはいられない。
なお同選手は発表にあたり以下のコメントを寄せている。
まずは、ヨーロッパで活動する機会をいただけたことに、NIPPOをはじめとした関係者の皆様に御礼申し上げます。
自転車を始めてから、これまでトラックレースをメインに活動し、今年は初めてのオリンピック出場(パリ大会/マディソン・チームパーシュート)も経験することができました。トラックレースの国際大会で表彰台に上がるのは、ロードレースでも活躍するUCIワールドチーム所属の選手ばかりです。トラックレースの勝負所での持久力、テクニック、戦術すべてにおいて余裕のある彼らと日常的に戦える環境に身を置くことは、自転車選手として強さを求めていくために必要だと感じています。
アンテルマルシェ・ワンティには、今年のツール・ド・フランスでポイント賞を獲得したギルマイ選手も在籍していますし、トラックレースでアルカンシェルを獲得したり、表彰台に立ったことのある選手、プロトンで長年走り続けている選手も多くいます。食事や文化、レースでの走り方など、僕の成長に必要なものがこのチームには全て揃っていると感じています。トラックレースで培ったスピードとパワーを活かして、強いチームメートたちとUCIレースでの勝利を目指したいです。