UCIワールドチームであるNTTプロサイクリングの選手が、来季に向けての練習中にトラブルに遭い、腕を骨折させられる事件が発生した。南アフリカ国内の国立公園の有料エリアを走ってしまったことが原因とされるが詳細は明らかでなく、職員に強引に制圧される様子を捉えた動画がSNSで拡散し波紋が広がっている。チームは声明を発表し、制圧した職員を「即刻懲戒解雇しろ」と怒り心頭だ。
所属チームが「職員の即刻懲戒解雇と全面謝罪」を要求
(同行していたチーム関係者が告発のためアップした動画より。暴力的なシーンがありますので視聴にはお気をつけください)
2019年12月27日(現地時間)、南アフリカを本拠とし、入部正太朗選手も所属するUCIワールドチーム「NTTプロサイクリング」のニコラス・ドラミニ選手(南アフリカ)が、来シーズンに向けてのトレーニングとしてサンパークス国立公園内の道路を走っていたところ、職員に呼び止められ強制連行される事件があった。連行される際、職員らにかなり強引に押さえつけられ、車内に押し込まれるなどの様子が同行していたチーム関係者の撮影した動画によって確認できる。同選手がかなり激しい痛みを訴えたため、チームは病院で診察させたところ、右上腕部を骨折していたことが発覚した。
連行された理由として無許可で有料エリアを走っていた等の憶測が飛び交っているが、真相は定かでない。ドラミニ選手は2018年のツアー・ダウンアンダーで山岳賞を獲得、今年はブエルタ・エスパーニャにも出場するなど地元南アフリカの若手として期待されていただけに、チーム内の衝撃は計り知れないものであったようだ。チームは事態を把握してすぐ、公式声明を発表。ドラミニ選手の怪我の状態を公表するとともに、サンパークス国立公園に対し「連行した職員の即刻懲戒解雇」「選手と同行した関係者への全面謝罪」を要求した。またチーム代表のダグラス・ライダー氏は「動画を見て気分が悪くなった。選手がこんな扱いを受けるなんてまったく受け入れられない」と厳しく非難した。