「ロンド・ファン・フランデーレン」初のバーチャル開催 本番さながらの熱戦展開

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Rle2020 Splash

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、延期となっている「ロンド・ファン・フランデーレン」が、本来の開催期日だった2020年4月5日に特別イベントとしてオンライン上で開催された。トップ選手13人が自宅などからホームトレーナーで参戦、距離短縮され1時間を時間と区切ったイベントだったが、リタイアも出るほど本気の戦いを展開。初の試みは今後の可能性を感じさせた。

トップ選手13人がバーチャルコースで白熱の戦い、リタイアも出る

「DE RONDE 2020 LOCKDOWN EDITON」と題されたこのイベントは、主催者団体「フランダースクラシックス」とベルギーの国営放送局「スポルザ」、インドア・サイクリング・シミュレーターのBKOOL、ストリーミング技術開発会社のKISWEが共同で企画したもの。当日はBKOOLのデジタルプラットフォーム上にあるコースデータ上で、参加を表明したプロ選手13人が、オンラインに接続できるホームトレーナーに乗り、自宅などから参加した。

Ronde2020 Lockdown Edition

出場選手は以下の13人で、本番でもおそらく参戦し優勝争いすると目される強力メンバーが揃った。

出場選手
レムコ・エヴェネプール (ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)
イヴ・ランパールト (ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)
ゼネク・スティバール (チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)
ジャスパー・ストゥイヴェン (ベルギー、トレック・セガフレード)
ティム・ウェレンス (ベルギー、ロット・スーダル)
トーマス・デヘント (ベルギー、ロット・スーダル)
ワウト・ファンアールト (ベルギー、チーム ユンボ・ヴィズマ)
ミケ・トゥニセン (オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
マイケル・マシューズ (オーストラリア、チームサンウェブ)
ニコラス・ロッシュ (アイルランド、チームサンウェブ)
アルベルト・ベッティオル (イタリア、EFプロサイクリング)
オリバー・ナーセン (ベルギー、A2G2・ラモンディアール)
グレッグ・ファンアーヴェルマート (ベルギー、CCCチーム)

レースは実際のコースより短縮され、後半32kmが舞台となった。ロンスからスタートし、すぐにクライスベルフを通過。その後、有名なオウド・クワルモントとパテルベルグを経て、ゴールのオウデナールドを目指すという、むしろ「見所しかない」プロファイル。選手にとってはいきなり本気で向かわざるを得ないハードな展開が予測された。その模様は大会の公式YouTubeで全世界にライブ配信された。

Rle2020 Figure100
公開されたバーチャルレースのYouTube動画より

バーチャルレースとあって風の影響がないものの、選手たちは逆にトレインを組んでお互いの負担を軽減することができない。最初から相当なハイペース、高出力でのせめぎ合いが続き、緊張感のある展開が続いた。

Rle2020 Mm Retire1

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公開されたバーチャルレースのYoutube動画より:力尽きたマイケル・マシューズ (オーストラリア、チームサンウェブ)

そんな中、オウド・クワルモントとパテルベルグの間のアップダウン期間で、マイケル・マシューズ が突然停止。完全に息を上げて力尽きた様子が映された。無償参加の特別イベントとはいえ、やはり選手はプライドをかけて本気で戦っていた。この場面が映る最中、レース展開はいったんエヴェネプールが単独アタックするも吸収され、続いてファンアーヴェルマートがパテルベルグから満を時して独走を開始。

Rle2020 Splash
持ち前の独走力をオンラインでも発揮するグレッグ・ファンアーヴェルマート (ベルギー、CCCチーム)

オリバー・ナーセンやニコラス・ロッシュらが追うも差を縮められず、そのままファンアーヴェルマートがフィニッシュ。記念すべき初のバーチャルレースを制した。2位はナーセン、3位はロッシュがそのまま入った。

実際の大会運営者が関わるバーチャルレースは史上初めてであり、最初ということで様々な改善点が垣間見得たものの(例えばパヴェ区間がバーチャルコースでは通常のアスファルトとして表現されていたなど)、選手が実際に一堂に会することのないオンラインで、実際のレースに迫るような展開がみられたことは非常に意義深い。あくまでも世界的な非常事態にともなう特別な試みだが、新しい可能性を見せてくれたのは確かだろう。レースの模様は現在でもYouTubeでみられるので、未見の方はぜひチェックしてみていただきたい。

 

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