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【ツール・ド・フランス2019】第5ステージ、サガンが今大会初優勝 総合トップはアラフィリップで変わらず

2019年7月10日、ツール・ド・フランスは第5ステージを迎えた。高低差のある4つの山岳を越え、最後のスプリントまで生き残った中から、力強さを見せたのはペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)。今大会初勝利で、今年もマイヨ・ヴェール(ポイント賞)の座は不動とばかり力を誇示した。

山頂フィニッシュ前哨戦、少しハードな「準備体操」

この日のステージは、3級山岳、2級山岳がそれぞれ2つ組み込まれ、そのうち3つは後半立て続けに登場する典型的なサバイバルステージ。翌日第6ステージに控える、山岳7つ越えの本格山岳ステージの調整、準備体操と解釈すればこの難易度は納得かもしれないが、ピュアスプリンターにとっては苦行でしかない、ある意味ツールらしいプロファイルだ。

この日の逃げはなかなか決まらず、2度3度と集団からのアタックが潰される流れが続く。スタート20kmを経過してからサイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト)、トムス・スクインス(ラトビア、トレック・セガフレード)、ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)、マッズ・ヴルツ(デンマーク、カチューシャ・アルペシン)の4人の逃げが決まり、容認したメイン集団とは2分程度の差で、距離を刻んでいくこととなった。

マイヨ・ポア(山岳賞)を狙い、ポイントのあるステージでは積極的に逃げに乗るウェレンスは、自らの予定通り、最初の山岳ポイントをトップで通過。続いてのスプリントポイントはサイモン・クラークが先頭で通過し、それぞれ狙ったポイントを積み上げていった。次の2級山岳でのポイントもティム・ウェレンスが首位通過を果たすが、その直前からメイン集団がペースアップ、差が縮まっていく。

連続する峠越えでのサバイバル

メイン集団との差がみるみる縮まる中、3つめの峠入り口で、追いつかれまいと逃げ集団の中からトムス・スクインスがアタック。単騎独走に挑み、頂上を先頭で通過して逃げ残りを図る。

しかしあえなく残り22km地点で吸収。この後しばらく集団内で最終スプリントに向けた牽制が強まっていき、ゴールまでこの状態かと思われたが、残り7.5kmの時点で間隙をつきルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチーム・エミレーツ)が単独でアタック!

しかしこのチャレンジも、残り2kmまで粘ったものの集団に吸収され、いよいよゴールスプリントに入っていく。

ゴール直前、幾度かの緩やかなカーブを四番手以下で待っていたペテル・サガンが残り100m前後から鮮やかに発進。先行していたマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)、ソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ワウト・ファン・アールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)を交わして影も踏ませず、おなじみの「超人ハルク」のポーズをとりながら貫禄の勝利を遂げた。

ここ数年マイヨ・ヴェールを着続けているサガンが今大会初のステージ勝利を上げ、すでに着用しているこのジャージの地位を早くも固めつつある印象を残した。なお前日まで総合トップのジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)は同タイム扱いの10位に入り、この日もマイヨ・ジョーヌを維持した。

明日はいよいよ最初の本格山岳ステージ。160kmの中でヴォージュ山塊7つの峠、そのうち3つが1級山岳という、まったく休む暇を与えない厳しいレイアウトだ。総合上位を狙うステージレーサーの中で、まず誰が鬨の声をあげるか、見逃せないステージとなる。

サイクルジャパン:

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