【ツール・ド・フランス2019】第8ステージ、デ・ヘントが完全逃げ切り勝利

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2019年7月13日、ツール・ド・フランスは第8ステージを迎えた。獲得標高差3,800mの非常に厳しいコースを制したのは、ワールドツアーでこれまでも実績を十分残してきたトーマス・デ・ヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)がその実力を見せつける、スタートからの完全逃げ切り勝利を達成した。

5つの2級山岳・2つの3級山岳、獲得標高差3,800m

この日は今年のツールでもかなりタフなコースレイアウトだ。超級、1級山岳はないものの、スタート50km目以降、2級山岳5つと3級山岳2つが断続的に続く。2級、3級といっても勾配がその分緩いわけではなく、単に登坂距離が短いだけで、現に獲得標高差は3,800mにも上る。これはアルデンヌクラシックやイル・ロンバルディア並みの高低差であり、このステージの厳しさを如実に物語る。

ステージ勝利を狙い、有力者が逃げに

この日の逃げグループは、逃げ切れる可能性も十分に考えられるコースレイアウトのため、すでにワールドツアーで優勝経験を持つ有力者たち、トーマス・デ・ヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)、ニキ・テルプストラ(オランダ、ディレクト・エネルジー)、ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンジョン・データ)が飛び出して逃げ集団を形成。その後すぐにアレッサンドロ・デ・マルキ(イタリア、CCC)がメイン集団からブリッジをかけて追いつき、4人の強力な陣容となった。

山岳ポイントを獲得していくデ・ヘント

その後続いた山岳ポイントは、デ・ヘントが積極的にポイントを拾っていく。チームメイトのティム・ウェレンスが山岳賞ジャージを保持しており、この日は代わりにポイントを獲得することでライバルたちの得点を阻止する狙いがあった。

いくつもの山岳を越えていくなか、フルーネウェーヘンなどスプリンターを中心にメイン集団からこぼれていくが、4人の逃げ集団もサバイバルとなり、デ・ヘントとデ・マルキの2人となった。マイヨ・ヴェールのペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)も60km付近から遅れ始めるが、なんとか残り20kmを切ったところでメイン集団に追いついた。

最後の山岳ポイント直前、各選手激しく動く

山岳ポイントを取り切ると同時に、ステージ優勝も狙うデ・ヘントは、ボーナスポイントがかかった最後の3級山岳の直前にアタック。デ・マルキを引き離し、単独先頭となる。

そのすぐ後、後ろのメイン集団から、個人総合2位のジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)とティボー・ピノ(フランス、グルパマ・FDJ)が飛び出す。アラフィリップは個人総合トップのジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)とわずか6秒差の2位であり、メイン集団内のチッコーネに差をつければ、ボーナスポイントも合わせてマイヨジョーヌ再奪取も見込める。この動きを受けてチッコーネはメイン集団の前に出て必死に牽引、なんとかジャージの堅持をはかる。

デ・ヘント完全逃げ切り勝利、マイヨ・ジョーヌは…

フィニッシュの市街地に入り、フランス人2人が猛追するなかデ・ヘントもペースを落とさず粘りに粘る。最後は10秒以下まで追い詰められるが、なんとか2人を振り切って、スタートからの完全勝利を決めた。

デ・ヘントに追いすがったフランス人がその直後にゴール。3位に入ったアラフィリップは、メイン集団内にとどまったチッコーネに秒差とボーナスポイントで差をつけ、マイヨ・ジョーヌを再び奪取した。

フランス革命記念日を翌日に控えたこの日にマイヨジョーヌを得たということは、革命記念日にフランス人選手がマイヨジョーヌを着て走ることを意味する。地元フランス人ファンにとってこれほど誇らしいことはない。祝祭の日の明日のステージは、いつもより増して地元マスコミの報道も含め、盛り上がることだろう。

なお、昨日落車して遅れたティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、EFエデュケーショファースト)は昨日のレース終了後の検査で左手を骨折していたことが判明。この日はスタートせずリタイヤとなった。

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