【ツール・ド・フランス2022】今夜開幕!スタート地コペンハーゲンの「自転車LOVE」ぶりをレポート②
いよいよ今夜開幕する第109回ツール・ド・フランス。今年の「グラン・デパール」は、世界でもっとも自転車フレンドリーだと言われるデンマークの首都・コペンハーゲンを走る個人タイムトライアルとなる。実は編集部では以前、所用もかねコペンハーゲンを訪れていたので、この機会にコペンハーゲン、デンマークの自転車愛好のスゴさについてレポートしたい。第二弾はコペンハーゲン市街地での自転車事情をより深く。
驚きの駅へのアプローチ
こちらはコペンハーゲン市中心部にある「コペンハーゲン中央駅」のパノラマ写真だが、日本では考えられないような構造になっているのがお分かりだろうか。ヒントはホームを跨る道路に大量に駐車されている自転車だ。
なんと、この駅は改札を通さずに、駅舎外からホームに直接アプローチできるのだ。自転車の直接持ち込みももちろん可能だ(料金はホームにセンサーがあってプリペイドカードから支払うような流れのようだった)。
ここ以外の国内各地の駅もそうだったが、列車の特定の何両目かがいわゆるサイクルトレインになっており、ホームのどこに持っていけばいいかすぐに分かるようになっている。
列車にもどこに停めればいいか大きくアイコンで示され、車内は後輪を挿せば固定できるラックが装備されていて、非常に簡単に持込み固定できるようになっているわけだ。「サイクルトレイン」とわざわざ呼称する必要もないほど、駅にいた限りでは全列車にこういった車両が編成されていた。さすが自転車先進国、すべてがスムーズで、自転車振興を考え始めた日本とはかなりの差があると言わざるを得ない。
蛇足だが、この時は閉まっていたもののなんとホームに自転車店が出ていた。それだけ駅のホームには自転車が持ち込まれているということだろう。
街中に溢れる個性的な自転車
そのすべてがいちいちオシャレ
ここからはギャラリーでお見せしようと思う。街中、自転車店、美術館など、いたるところに自転車か、関係する何かが溢れている。そして、その全てがいちいちオシャレなのである。市民もライフスタイルの一部として、個性を表現するアイテムのひとつとして楽しんでいるということだろう。
日本的なモノもいくつか
自転車とは関係ないが、現地でみかけた日本的なものも紹介したい。市内を散策していて驚いたのが、セブンイレブンの多さだ。というか、コンビニ的なお店はほぼ全てセブンイレブンだったかもしれない。なお、国内ではデンマーク国鉄と提携しているようで、キオスクはすべてセブンイレブンだそうだ。
デンマークのセブンイレブンはベーカリーやデリが充実しているのだが、よく見ると「YAKITORI」も売っていた。セブンイレブンだからか!?と思わず買ってホテルで食べてみたが、味付けは完全にトルコ系で、シシュケバブといって構わないものだった。おいしいので特に問題はなかったが、どうも日本語だからといって日本食だと思ってはいけないようだ(実はいくつか他の例もあったが、写真を撮っていないので割愛する)。
次にコペンハーゲン中央駅、最初に紹介した写真とは逆の出口のこのお店を紹介したい。この「ANDERSEN BAKERY」は、実は日本の「アンデルセン」である。広島で創業された、元はタカキベーカリーと称していたパン屋さんなのである。この元タカキベーカリー、現アンデルセンは、創業者がデンマークでデニッシュを食べて感銘を受け、作り方を習得し日本で初めてお店で提供を始め、日本全体に普及させたことで知られる。縁を感じたのか、2000年代に入りデンマークでお店を展開しているそうだ(このお店以外にも数店舗ある)。もちろん現地に愛されるパン屋となっているが、店内をのぞくとあんパンも販売していて、日本人の自分としては感慨深いものがあった。
最後にコペンハーゲンにもあるぞ!ということでラーメン屋を紹介。たまたま最初に泊まったホテルの隣のビルにあった。人気のようでたびたび満席になっていた。「味噌」「坦々麺」「醤油」「塩」とあって、日本だとこういうのは節操ないなあ‥となるのだが(失礼)、期待を裏切って?おいしかった。この後コロナ禍に見舞われたので続いているのか不明だが、またコペンハーゲンを訪れることがあればぜひ行きたいと思っている。
さあ、いよいよ第1ステージ!
開幕までもうすぐとなったが、本日の個人TTのコースは、これまで紹介してきた場所のそばも通っていく。中継映像を見ながら「ラーメン屋ってどの辺?」などと現地の街並みを少しだけ深く楽しんでいただけたら幸いである。