2019年6月22日、9日間に渡って行われるスイス国内最高峰のステージレース「ツール・ド・スイス」第8ステージが開催された。ほぼ平坦のコースで繰り広げられた個人タイムトライアルの総合上位争いは、エガン・ベルナル(コロンビア、チーム・イオネス)がライバルの追い上げを凌ぎ首位をキープした。
ステージ優勝はランパールト、唯一の21分台
第8ステージはイタリアとの国境付近の街・ゴムスにおける19.2kmの個人タイムトライアル。全体はほぼ平坦で、タイムトライアルのスペシャリストに非常に有利なプロファイルだ。終盤を迎え、レースは総合首位のベルナルと同2位のローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ)の戦いに注目が集まっているが、この日は圧倒的にスペシャリストであり、世界王者のローハン・デニスが優位な状況。41秒のリードを保つベルナルがその貯金をどれだけ残せるか、あるいは逆転されるのかがポイントだった。
総合上位のライダー達がスタートする前にトップに立ったのは、イヴ・ランパールト(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)。2017年にベルギー選手権のタイムトライアル王者となった経験もあり、現在は同国のロードレース王者である実力者が、21分台を叩き出してトップに躍り出る。その後彼のタイムを越えるライダーは現れず、総合上位の2人がランパールトに挑むかたちに。
明暗分かれた総合上位2人、デニスは差を縮めきれず
先にスタートしたデニスは現世界王者だけに期待されたが思いの外タイムが伸びず、結局ランパールトから19秒遅れでフィニッシュ。直後にスタートしたベルナルはタイムトライアルが不得意と言われており、それでも相当に差を縮められると思われたが、後半踏ん張ってトップから31秒遅れにまとめた。デニスに差を縮められたものの、得意の山岳コースである明日の最終ステージを前に、22秒のリードを残すことに成功した。