新型コロナウイルスの影響が世界に及ぶ中、日本自転車ロードレース界最大のステージレース「2020ツアー・オブ・ジャパン」の中止が発表された。運営事務局はプレスリリースの中で「日本の地域を元気にする社会貢献型の国際的スポーツイベント」の意義を実現することが困難になったと理由を述べている。
無観客レースを検討も、安全面から中止を決定
毎年5月に開催される、日本における自転車ロードレース最大のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」。UCIアジアツアーの指定を受けるアジア有数の大会でもあるが、新型コロナウイルスの影響を受け今年の大会は中止されることになった。大会事務局のプレスリリースによると、UCI(国際自転車競技連合)が出した4月末までのレース中止措置、日本政府が3月21日から実施を始めた38カ国からの入国制限が大きな要因になったという。無観客レースも検討したが、外で行われるレースであり実効性が不明であることや、観戦を制限することで、「日本の地域を元気にする社会貢献型の国際的スポーツイベント」としての本質的な意義を実現することが困難だという判断もあるとみられる。
日本政府とIOCが、東京オリンピックの開催を2021年の夏までの間に延期するという発表があったばかりだが、ツアー・オブ・ジャパンはその代表枠を争う上で重要なポイント獲得対象の最後のレースだった。事務局の発表では2021年は通常通り開催するとしているが、本番の開催時期が決まっていない中、来年のこのレースの開催も影響を受ける可能性は十分残されている。