【ツール・ド・フランス2020】第2ステージ:アラフィリップ、敢然と飛び出し勝利 早くもマイヨジョーヌへ「帰還」

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©️A.S.O.- Alex_Broadway

第107回ツール・ド・フランスは30日、前日に引き続きフランス・ニースを発着する第2ステージが行われた。大会史上初となる2日目での1級山岳の連続を耐え、最終盤で勇敢にアタックしたジュリアン・アラフィリップ(フランス/ドゥクーニンク・クイックステップ)が少人数のスプリントを制し勝利。昨年、長く着用したマイヨジョーヌへ早くも「帰還」した。

コースプロファイル:ニース北部の1級山岳へ、大会初の「最速の山岳コース」

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この日は、大会2日目にして早くも山岳コース。2日目に標高1,500m以上の山岳を走るのは大会史上初となるが、それだけでなく1級山岳を連続して登る。さらに、スプリントポイントはスタート直後の16km地点に設定され、最終盤までスプリンターは先頭付近に居続ける必要がない。クライマーと総合上位を狙うエース達がどう動くか、それ如何では今後のツールの展開に大きく影響する日となりそうだ。

トレンティンとサガン、マイヨヴェール争い本格化か

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大方の予想通り、直後のスプリントポイントを目指して多くの選手がスタートすぐにアタック。しばらくしてマイヨヴェール狙いのペテル・サガン(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)、マッテオ・トレンティン(イタリア/CCCチーム)も含む8人の逃げ集団が形成される。そしてスプリントポイント直前では、この2人が激しく争った。

ここではトレンティンがサガンをおさえ先頭通過しポイント獲得。今年はマイヨヴェールに向け、より積極的に立ち向かうことをアピールした。その後も8人は逃げ集団として、メイン集団と距離を保ったまま山岳へと向かった。

その間、後方のメイン集団以下では非常に心配な場面が見られた。序盤のまったく争うところのない場面で、早くもダヴィ・ゴデュ(フランス/グルパマFDJ)が苦悶の表情を浮かべながらメイン集団から脱落。前日、多くの選手と同様に彼も落車し、仙骨を痛めたという。続行が心配されたが、序盤でその後山岳ということもあり、メイン集団が気遣いを見せペースダウン。なんとか追いついたが、今後も体調が心配される。

山岳を淡々と進むプロトン、最後の2級山岳で逃げ集団を吸収

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その後1級山岳へ向かう過程では、マイヨジョーヌを擁するUAEチームエミレーツが、暗黙のルールに従いメイン集団を牽引。総合優勝争いで注目されるユンボ・ヴィズマ、イネオス・グレナディアーズはそれに従い動かず、連続する山岳を無難にこなし、そのまま集団で続く2級山岳エズ峠へと向かう。

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エズ峠へ向かう登りでは、ユンボ・ヴィズマ、イネオス・グレナディアーズが変わって先頭を引っ張り、逃げ集団からの飛び出しも含め吸収していった。

アラフィリップ、敢然とアタック

一団となった状態で最後の丘陵に設定されたボーナスポイントの直前を迎えた残り13km地点、集団内からジュリアン・アラフィリップが敢然とアタック。マルク・ヒルシ(スイス/チーム サンウェブ)とアダム・イェーツ(英国/ミッチェルトン・スコット)もこれに続き、3人で小集団を形成、協調体制を築き集団から約20秒のリードを獲得した。そしてメイン集団も吸収できそうな微妙な距離のまま、最終盤を迎える。

ゴール直前の直線半ばまで3人は牽制していたが、残り100mを切る付近で、一気にアラフィリップのスプリントが爆発。ヒルシがすぐに追いすがるが並走もできず、そのままアラフィリップが堂々の勝利をあげた。

早くもマイヨジョーヌ着用も「おまけのようなものだ」

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鮮やかな戦略で勝利を飾ったアラフィリップ。ゴールでは右手の人差し指を天に掲げる仕草を見せたが、これは闘病の末6月27日に亡くなった父親へ向けたものだったという。昨年の再来を思わせる2日目でのマイヨジョーヌ着用だが、これについては記者に対し「おまけのようなものだ」とおどけてみせた。

2日目を終えて、最後のボーナスポイントで8秒獲得したアダム・イェーツが個人総合2位に浮上したほかは、各チームのエースたちに特に動きもなく、遅れも出ていない。3日目はいよいよニースから出立し、山塊へと向かっていく。

ツール・ド・フランス2020第2ステージ(ニース オーペイニース)結果

優勝 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 4時間55分27秒
2位 マルク・ヒルシ(スイス、チーム サンウェブ) +0秒
3位 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +1秒

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