【ツール・ド・フランス2020】第3ステージ:ユアンが驚異のすり抜けで圧巻勝利

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©️A.S.O.- Alex_Broadway

第107回ツール・ド・フランスは31日、ニースを出立し山塊地域へ向かう第3ステージが行われた。淡々と山岳をこなした最後のスプリントを制したのは、昨年もステージ3勝をあげたカレブ・ユアン。驚異の抜け出しを見せた彼の、今大会での今後の活躍も予感されるステージとなった。

コースプロファイル:山塊へと続く道始まる 序章は穏やかな緩急コース

©️A.S.O.

開幕前の準備、チームプレゼンテーションから数えると、4日以上を過ごしたニースからいよいよ移動し「フランス一周の旅」が始まる。いったんニースから北上し国内南部の山塊辺境へと向かうこのステージは、少ない山岳ポイントが設定された3−4級山岳があるものの、穏やかな平坦ステージと言える。スプリントポイントが後半に設定されているので、それまでは山岳賞狙いのいくつかの選手以外は、ほぼ争うこともなく集団で「旅」を楽しむのではないだろうか。ゴール前は第1ステージが落車が多くスプリントまで生き残った選手が少なかったので、大会初めてクリアな状態でのスプリントが見られるだろう。

フランス人3人が飛び出し山岳ポイントを争う

©️A.S.O.-Pauline_Ballet

スタート直後に飛び出した2人に1人が加わり、早々に山岳賞ポイント狙いの3人、ブノワ・コヌフロア(フランス/AG2Rラ・モンディアル)、アントニー・ペレス(フランス/コフィディス)、ジェローム・クザン(フランス/トタル・ディレクトエネルジー)で小集団が形成される。全員地元フランス人ということもあり後ろのメイン集団はすぐに容認、3人での山岳ポイント争いが展開されていく。

道中、すぐに雨が降り出し路面が濡れてしまう。第1ステージの悪夢を繰り返したくないメイン集団の選手たちはペースを落とし、さらに安全に、穏やかに走行。3人を追いかける姿勢を見せなかった。前方の3人はそれを尻目に各山岳賞ポイントを取り合い、この日のジャージが確定した時点で、2人がメイン集団へと戻っていった。残ったクザンはわずかな可能性にかけて1人逃げを続けるが、スプリントポイントを通過した残り16km余りの地点で吸収された(もちろん敢闘賞を獲得)。この後はスプリントに向け、各チームの位置どりが激しくなる。

ユアン、驚異のスピードで後方から抜け出し圧巻の勝利、今大会1勝目

最後のゴール前の直線は比較的狭く、残り200mを切った時点で前に残った5-6名のスプリンターでの争いとなる。中でもサム・ベネット(アイルランド/ドゥクーニンク・クイックステップ)、ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア/NTTプロサイクリング)、ペテル・サガン(スロベニア/ボーラ・ハンスグローエ)らが真ん中からうまく抜け出していくかに見えたが、その背後からカレブ・ユアン(オーストラリア/ロット・スーダル)が群を抜くスピードで、しかも間隙を突き右に左にと位置を変えながらすり抜ける荒技を見せ、先行するベネットを余裕で差し切った。昨年ツールでステージ3勝をあげ、当代随一のスプリンターの名を不動のものにした彼が、いよいよ動き出したと強く印象付ける1勝だ。

明日の第4ステージは、大会初の山頂ゴールが設定された山岳ステージ。最終盤で必ず差がつくプロファイルが、総合上位を狙う有力選手たちのコンディションを如実に示してくれるだろう。

ツール・ド・フランス第3ステージ ニース〜シストロン 結果

優勝 カレブ・ユアン(オーストラリア/ロット・スーダル) 5時間17分47秒
2位 サム・ベネット(アイルランド/ドゥクーニンク・クイックステップ)
3位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア/NTTプロサイクリング)

個人総合成績(マイヨジョーヌ)

1位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス/ドゥクーニンク・クイックステップ) 13時間59分17秒
2位 アダム・イェーツ(英国/ミッチェルトン・スコット)+4秒
3位 マルク・ヒルシ(スイス/チームサンウェブ)+7秒
4位 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)+17秒
5位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア/UAEチームエミレーツ)+17秒
6位 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス・グレナディアーズ)+17秒
7位 トム・デュムラン(オランダ/ユンボ・ヴィズマ)+17秒
8位 セルジオ・イギータ(コロンビア/EFプロサイクリング)+17秒
9位 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)+17秒
10位 エスデバン・チャベス(コロンビア/ミッチェルトン・スコット)+17秒

ポイント賞成績(マイヨヴェール)

1位 ペテル・サガン(スロベニア/ボーラ・ハンスグローエ)79ポイント
2位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー/UAEチームエミレーツ) 77ポイント
3位 サム・ベネット(アイルランド/ドゥクーニンク・クイックステップ)74ポイント

山岳賞成績(マイヨ・ポア)

1位 ブノワ・コヌフロア(フランス/AG2Rラ・モンディアル)21ポイント
2位 ミヒャエル・ゴグル(オーストリア/NTTプロサイクリング)12ポイント
3位 トムス・スクインシュ(ラトビア/トレック・セガフレード)6ポイント

新人賞成績(マイヨ・ブラン)

1位 マルク・ヒルシ(スイス/チームサンウェブ)13時間59分23秒
2位 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)+10秒
3位 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス・グレナディアーズ)6ポイント

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