【ツール・ド・フランス2020】第4ステージ:ログリッチ、底見せぬ余裕の初勝利
第107回ツール・ド・フランスは1日、第4ステージが行われた。大会初の山頂ゴールを制したのは、総合優勝大本命とされるプリモシュ・ログリッチ。ライバル達の様子を見ながら苦もなく抜け出したその姿は、すでに余裕が感じられた。
コースプロファイル:今大会初の登り頂上ゴール、総合上位候補のさや当ては見られるか?
今大会4日目にして、早くも1級山岳の頂上ゴールが設定された。これほど早期に設定されたのはここ20年なく、最初から有力選手の脚を試したいという運営側の意図がもっともよく現れたステージだ。その最後の登りは平均勾配6.7%、前兆7.1km。つづら折の中をリズムよくこなしていかなければならず、逃げも隠れもできないプロファイルとなっており、この道程のなかで、総合争いをするトップライダーたちの現在が容赦なく炙り出されるだろう。
頂上ゴールに備え、多くが体力温存しつつ進む
🚩 Stage 4 is underway and we already have a breakaway of 6 riders!
🚩 L'étape 4 du #TDF2020 est lancée et une échappée de 6 se forme dès le départ !
🇩🇪 @PolittNils
🇱🇻 @Neilands_K
🇧🇪 @TiesjBenoot
🇫🇷 @mat_burgaudeau
🇫🇷 @QuentinPacher
🇫🇷 @A_Vuillermoz#TDFunitedpic.twitter.com/Ueejr53ZVH— Tour de France™ (@LeTour) September 1, 2020
この日、スタートから飛び出し逃げ集団を形成したのは、ニルス・ポリッツ(ドイツ)、クリスツ・ニーランズ(ラトビア)のイスラエル・スタートアップネイション勢、マチュー・ブルゴドー(フランス/トタル・ディレクトエネルジー)、アレクシー・ヴィエルモ(フランス/AG2Rラ・モンディアル)、ティシュ・ベノート(ベルギー/チーム サンウェブ)、カンタン・パシェ(フランス、B&Bホテルズ – ヴィタルコンセプト)の6人。
メイン集団は最終盤のことを考え争うこともなくこの逃げを承認、体力を温存しながら進んでいく。道中はこの逃げ集団がスプリントポイント、山岳賞ポイントを争っていく展開が続いた。なお、メイン集団の中でのマイヨヴェール争いももちろん展開されていったが、この日はペテル・サガン(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)に先を越されまいと多くの選手が激しく争い先行した。
🇱🇻 @Neilands_K is caught. The peloton is grouped and moving towards the final climb towards the finish.
🇱🇻 @Neilands_K est repris. C'est un peloton groupé qui s'avance au pied de la dernière ascension du jour. #TDF2020pic.twitter.com/T0gdiy2coC
— Tour de France™ (@LeTour) September 1, 2020
終盤が近づくにつれ、登り基調のなかで定石通りメイン集団がペースを上げ、逃げの選手たちを順次吸収していく。最後まで粘ったニーランズを残り7.3km付近で捉えると、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)を擁するユンボ・ヴィズマがさらに集団のペースを上げ、他チームの選手をふるいにかけていった。
最終盤はユンボ・ヴィズマがほぼ掌握 マルタンの攻撃もおさえ、ログリッチ初勝利
Peloton led by @WoutvanAert with 2km to go!
Le peloton est toujours mené par @WoutvanAert à 2km de l'arrivée. #TdF2020pic.twitter.com/UpG0v49REG
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山頂ゴールに向け、先頭にユンボ・ヴィズマのアシストたちが直列に居並びペースアップ。付いて行こうとする他チームの選手たちはやがて次々と脱落していく。昨年まではイネオス・グレナディアーズが毎ステージのように仕掛けていたお家芸だが、この日はそのイネオスの選手たちさえもこの攻撃に耐えきれず、アシストたちが次々と脱落。気がつけば、エースのエガン・ベルナル(コロンビア)だけが取り残される状態となった。
🇫🇷 @GuilmMartin went first but 🇸🇮 @rogla proved strongest in the final stretch!
🎬 Relive the final kilometre!
🇫🇷 @GuilmMartin a lancé les hostilités mais 🇸🇮 @rogla a été le plus fort!
🎬 Retrouvez le dernier kilomètre de cette étape!#TDF2020pic.twitter.com/VlfRaAqmQ9
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生き残ったエースたちのほとんどはユンボ・ヴィズマの攻撃に耐えるしかなかったが、残り500mを切ろうとするところでギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)が勇気あるアタックを仕掛け一度は抜け出す。しかし、それにすぐ反応しぴったりマークしたのは、手厚いアシストで脚を残していたログリッチだった。残り200m付近で各エースがスプリントを始めた際には、他のエースを上回るスピードで、乗車姿勢を崩すこともなくスルスルと抜け出し先頭に。とても100%出し切ったとは見えない余裕の振る舞いで、今大会初勝利を遂げた。
明日は終盤まで緩やかな下り基調のスプリンター向けステージ。数少ない活躍の場を求めて、激しいスプリントが展開されるだろう。
ツール・ド・フランス第4ステージ シストロン〜オルシエール=メルレット 結果
優勝 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィズマ) 4時間7分47秒
2位 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)+0
3位 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)+0
個人総合成績(マイヨジョーヌ)
1位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス/ドゥクーニンク・クイックステップ) 18時間7分4秒
2位 アダム・イェーツ(英国/ミッチェルトン・スコット)+4秒
3位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィズマ)+7秒
4位 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)+11秒
5位 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)+13秒
6位 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス・グレナディアーズ)+17秒
7位 トム・デュムラン(オランダ/ユンボ・ヴィズマ)+17秒
8位 エスデバン・チャベス(コロンビア/ミッチェルトン・スコット)+17秒
9位 ナイロ・キンタナ(コロンビア/アルケア・サムシック)+17秒
10位 ミゲル・アンヘル・ロペス(スペイン/アスタナプロチーム)+17秒
ポイント賞成績(マイヨヴェール)
1位 ペテル・サガン(スロベニア/ボーラ・ハンスグローエ)83ポイント
2位 サム・ベネット(アイルランド/ドゥクーニンク・クイックステップ)83ポイント
3位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー/UAEチームエミレーツ) 80ポイント
山岳賞成績(マイヨ・ポア)
1位 ブノワ・コヌフロア(フランス/AG2Rラ・モンディアル)21ポイント
2位 ミヒャエル・ゴグル(オーストリア/NTTプロサイクリング)12ポイント
3位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィズマ)10ポイント
新人賞成績(マイヨ・ブラン)
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)18時間7分5秒
2位 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス・グレナディアーズ)+6秒
3位 エンリク・マス(スペイン/モビスターチーム)+15秒