【ツール・ド・フランス2020】第6ステージ:ルチェンコが逃げ切りで「キャリア最高の勝利」

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©️Pressesports-Franck_Faugere

第107回ツール・ド・フランスは3日、第6ステージが開催された。個人総合を狙う各チームのエースたちが体力温存したなか、逃げ集団の中から、この日を狙って綿密にコースプロファイルを頭に入れていたというアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン/アスタナ プロチーム)が堂々の独走勝利。ツールでは初のステージ優勝を飾った。

コースプロファイル:注目は最終盤の登り、生き残るのは誰か

©️A.S.O.

この日のハイライトはなんといっても最終盤の登りだ。40km弱ほぼずっと登り基調で、その中間には登坂距離11.7km、平均勾配7.3%の急峻な1級リュゼット峠が含まれる。それを越えてその後もゴールまで引き続き登りで、まったく気が抜けないプロファイルだ。もし総合上位を目指すエース達が何か仕掛けるなら、今大会初めての本命同士のバトルが見られることになるが、まだツールは始まったばかり。牽制したまま静かに終わる可能性もある。この場合、登坂が得意なものの、エースではない中堅どころがチャンスを得て栄誉を獲得するかもしれない。

ステージ優勝を狙うライダーがこぞって逃げに乗る

©️A.S.O.-Pauline_Ballet

この日は前日と打って変わり、あわよくばステージ優勝を狙いたい選手たちが激しくアタックを試み、逃げ集団形成を試みる。しばらくしてアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン/アスタナ プロチーム)、ニコラス・ロッシュ(アイルランド/チーム サンウェブ)、ニールソン・ポーレス(アメリカ/EFプロサイクリング)、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー/NTTプロサイクリング)、ダニエル・オス(イタリア/ボーラ・ハンスグローエ)、レミ・カヴァニャ(フランス/ドゥクーニンク・クイックステップ)、グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー/CCCチーム)、ヘスス・エラダ(スペイン/コフィディス)の8人が抜け出しに成功し、逃げ集団として先行した。その後、後方のメイン集団はこの8人は追わず、最大で6分30秒あまりの秒数差がついていく。この日は体力温存に努めることにしたようだ。

しかしその中でも、マイヨヴェール争いの激しさは変わらなかった。125.5kmに設定された中間スプリントポイントでは、メイン集団内の有力スプリンターも参戦して激しいスプリントとなり、結果マイヨヴェールのサム・ベネット(アイルランド/ドゥクーニンク・クイックステップ)が先頭を取った。ライバルのペテル・サガン(スロバキア/ボーラ・ハンスグローエ)との差をわずかに広げることに成功した。

最後の登坂区間で先頭集団のサバイバル開始

登坂区間に入り、逃げ集団とメイン集団との差が徐々に縮まり始める。1級リュゼット峠へ向かうもっとも勾配が厳しい区間で、逃げ集団ではポーレスが積極的にアタックを繰り返して揺さぶり、ライバルの追い落としをはかっていく。結果、頂上まで4kmの地点で先頭はポーレスとルツェンコのふたりだけに。ここからステージ優勝をかけた一騎打ちとなった。

©️A.S.O.-Pauline_Ballet ポーレスを突き放し、ついに先頭にたったルチェンコ

数km後、抜け出したのはルチェンコ。ペースをあげてポーレスを突き放し、初のステージ優勝を確実のものにした。その後も後続との差を広げ、単独で登坂。最後は余裕を持って、しっかりとガッツポーズしながらのゴールとなった。

©️Pressesports-Franck_Faugere

27歳のルチェンコはツール初勝利。レース後のインタビューではキャリア最大の勝利だと感慨にふけり、今日のコースを把握して臨んだことが勝因だと語った。リュゼット峠での動きもおそらく予定通りで、会心の勝利だったろう。

メイン集団は、途中何人かの抜け出しがあったが、その都度イネオス・グレナディアーズなどのコントロールが入り、終始大きな争いはなくゴールした。各賞ジャージにも動きは出ていない。

ツール・ド・フランス第6ステージ ル・テイユモン・エグアル 結果

優勝 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン/アスタナ プロチーム) 4時間32分34秒
2位 ヘスス・エラダ(スペイン/コフィディス) +55秒
3位 グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー/CCCチーム) +2分15秒

個人総合成績(マイヨジョーヌ)

1位 アダム・イェーツ(英国/ミッチェルトン・スコット) 27時間3分57秒
2位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ) +3秒
3位 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ) +7秒
4位 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス) +9秒
5位 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス・グレナディアーズ) +13秒
6位 トム・デュムラン(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)+13秒
7位 エスデバン・チャベス(コロンビア/ミッチェルトン・スコット)+13秒
8位 ナイロ・キンタナ(コロンビア/アルケア・サムシック)+13秒
9位 ロマン・バルデ(フランス/AG2Rラモンディアル)+13秒
10位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア/アスタナ プロチーム)+13秒

ポイント賞成績(マイヨヴェール)

1位 サム・ベネット(アイルランド/ドゥクーニンク・クイックステップ)129ポイント
2位 ペテル・サガン(スロバキア/ボーラ・ハンスグローエ)117ポイント
3位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー/UAEチームエミレーツ) 93ポイント

山岳賞成績(マイヨアポア)

1位 ブノワ・コヌフロア(フランス/AG2Rラ・モンディアル)23ポイント
2位 ミヒャエル・ゴグル(オーストリア/NTTプロサイクリング)12ポイント
3位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド/チーム サンウェブ)11ポイント

新人賞成績(マイヨブラン)

1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)27時間4分4秒
2位 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス・グレナディアーズ)+6秒
3位 エンリク・マス(スペイン/モビスターチーム)+15秒

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