京都市内、烏丸通りからひとつ入ったところにある東洞院通りの一角。京都市内では繁華街から一歩入ったお洒落なお店が並ぶ一角として人気のエリアだ。この場所で1世紀以上、3代にわたって営業してきた辻森自転車商会が、町家造りの建物そのままにリニューアルしているが、店舗の一角にブルーボトルコーヒーが参画、2019年12月13日に店舗をオープン。全国でも珍しいコラボ店舗となっている。オープン直後のお店を訪問し、コラボの由縁や今後の展望などを店主に伺った。
そのシンボル、実は2代目。お店は3代目
「目立つでしょ?実はこれ2代目なんですよ。」と屈託のない笑顔で話してくれるのは、主人の宮本大輔さん。実はお店が2代で廃業になる可能性があると聞き、遠縁ながら後を継ぐことを決断した、心意気溢れる3代目だ。シンボルの実用車も近隣のご近所から「ないと寂しいよね」と言われ、リニューアル後も掲げ続けることを決めた。
リニューアルにあたっては、この風情ある町家造りの維持を前提に、同居するパートナーを求めてきた。宮本さんは海外旅行の経験で、自転車とコーヒーがとても身近なことを知っていた。パートナーとしてコーヒー店を、と動いていたところ、ブルーボトルコーヒーが名乗りをあげてくれたという。
自転車店としては1階の敷地の半分余りで展開し、他の部分は「ブルーボトルコーヒー 京都六角カフェ」として共存。カフェとしては1階がテイクアウトなどの注文カウンター、2階がテラスもある飲食スペースとなっている。1階部分はそれぞれがガラスで見通せるようになっており、一体化した雰囲気を演出している。
「いじるのが好きで」
長年地域に愛されてきた店。ママチャリから電動アシスト、クロスバイク、MTB、ロードバイクと幅広く取り扱う。レンタルバイクもしているそうで、1日2,000円から多くの車種を借りることができる(お値段は車種によるので確認を)。店主の宮本さんはじめ、店員は皆クラフトマンシップを持った「いじり好き」。「走るより好きかもしれない」と、また笑う。それはバイクだけにとどまらずリニューアルの際にも現れていて、アクセサリーを展示するボードは、合板をそのまま使うなど自分たちで工夫。取引先からも好評だそうだ。店舗奥のスペースも自分たちで内装する予定で、そちらはまだオープンできていないんですよ、とおどけてみせた。2月には全貌が分かるそうだ。
象徴的なのは作業スペースの壁に設えられた、ツールの数々。使い古された工具が雰囲気たっぷり、自信ありげに並んでいるその様は、このお店の歴史を雄弁に語ってくれている。修理はもちろんのこと、オーバーホールにもしっかり対応するとのこと。「これからもここでずっと続けていければと思っています」と、3代目は力強く語った。
辻森自転車商会
京都市中京区東洞院六角上る三文字町(東洞院六角北東角)
営業時間:9:00~18:00 定休日:日曜日
TEL:075-221-5732ブルーボトルコーヒー 京都六角カフェ
京都市中京区 東洞院六角上る三文字町 226-1
席数:25席
営業時間:9:00~19:00