2018年3月8日、ヤフーは子会社を通じシェアサイクルプラットフォーム「HELLO CYCLING」を提供するOpenStreetに資本参加し、シェアサイクル事業に参入することを発表した。ヤフーの各サービスとの連携で、一層の利便性向上に取り組む。
株式の過半数取得
今回OpenStreetに出資するのは、ヤフーの子会社で新規事業開拓を行うZコーポレーション。出資完了は4月上旬で、株式の過半数を取得する。
OpenStreetはソフトバンクの新規事業提案制度である「ソフトバンクイノベンチャー」を通じて発足し、SBイノベンチャーから出資を受け2016年11月に設立。事業者や自治体を対象にシェアサイクルプラットフォーム「HELLO CYCLING」を2016年11月から提供している。事業者や自治体は、「HELLO CYCLING」が提供するGPSと通信機能を搭載した「スマートロック」と専用の操作パネルを、自ら用意する自転車に取り付けることでシェアサイクルサービスを運営することができる。またサービスの利用者は、「HELLO CYCLING」を利用したサービスであれば、異なる事業者や自治体により展開される複数のシェアサイクルサービスを一つのIDで利用することができる。
現在「HELLO CYCLING」を活用したシェアサイクルサービスは栃木県、埼玉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、兵庫県、香川県など約40地区で展開され、約1,000台の自転車が配備されている。小売業者や鉄道交通機関、コインパーキング運営事業者、マンションデベロッパー、観光協会など幅広い業種の企業や自治体などと連携し、各地域の特性に合わせた短距離交通インフラを提供している。2018年5月からは新たにAPAMANグループによる「HELLO CYCLING」の導入も決定しており、「ecobike」のブランド名で福岡県を皮切りにサービスが開始され、順次全国展開される予定だ。
ヤフー各サービスとの連携で利便性向上狙う
今回の資本参加で、月間約4,100万アクティブユーザーの「Yahoo! JAPAN ID」、約3,900万口座を持つインターネット上の決済サービス「Yahoo!ウォレット」、各種ナビゲーションアプリ「Yahoo! MAP」「Yahoo!カーナビ」「Yahoo!乗換案内」など、ヤフーの各サービスとの連携や顧客基盤の活用により「HELLO CYCLING」の事業拡大を加速させるとともに、一層の利便性向上に取り組むという。