「車道を走ることで事故リスク軽減効果あり」 au損保と八重洲出版が検証

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自転車向け保険を取り扱うau損害保険と八重洲出版が、自転車の車道通行時と歩道通行時の自動車ドライバーからの視認性について専門家の見識を基に検証を行ったところ、「車道の左側」を通行することで交差点等での事故リスクを抑えられることが分かったと発表した。

自転車を利用する人の9割以上が「車道走行は危険」と感じていることを受け検証

au損害保険はこれまでにも、自転車利用に関する様々な調査を行い発表しているが、コロナ禍を受け自転車利用者の意向などを調査した先日の発表では、自転車で車道を走ることを「危ない」「やや危ない」と感じる層が約95%という結果が出ている(既報)。道路交通法では原則車道の左側を走行することになっており、同社と八重洲出版では交通ルール遵守の意識について再確認してもらうため、専門家であるNPO法人自転車活用推進協議会の田中章夫氏の監修のもと、交差点進入時の安全性の違いについて検証を行った。

歩道走行と車道走行、2つのケースを検証

専門家の見識によれば、交通事故の原因の多くは「認知ミス」によるものであり、自転車が自動車ドライバーからその存在に気づかれない、あるいは気づかれるのが遅れることによって、事故が発生する可能性が高いという。警視庁が公表しているデータ※1では、自動車対自転車の死亡・重傷事故のうち「出会い頭衝突」(56%)に次ぎ、「右左折時衝突」(25%)が2番目に多い結果となっており、交差点での事故が多いことが伺える。

今回の検証では、実際に自転車で「車道の左側」と「歩道」をそれぞれ通行し、交差点進入時に、自動車ドライバー目線で自転車の存在が認知されるのにどの程度の差があるかを確認した。

注) 実験に際しては、交通量が少ない場所・時間帯を選び、周囲の交通を妨げたりしないよう、細心の注意を払って行っています。
また、歩道を通行する際には時速4km以下で徐行し、歩行者が周囲にいない状況で行っています。

※1 警察庁交通局資料「自転車関連事故に係る分析」(2019年4月25日

検証1 歩道通行から交差点に進入する場合

まず、交差点に進入するまで「歩道」を通行した。この場合、自動車ドライバーの意識が及びやすい範囲は写真の通り、歩道通行している時点では、自動車ドライバーから自転車の存在が認知されにくいことが分かる。自動車にもよるが、自転車とバックミラーが重なって見えなかったり、歩道の植え込みやガードレール等が自転車の気づきづらさを助長するようだ。そのまま交差点に進入すると、自転車は自動車ドライバーの視界に突然現れるように見え、接触や巻き込み事故等の可能性が高くなることが確認できた。

検証2 車道通行から交差点に進入する場合

次に、交差点に進入する前から「車道の左側」を通行してみた。この場合、写真の通り、自動車ドライバーの意識の及びやすい範囲に自転車が存在していることが分かる。このまま交差点に進入しても、下記の写真のように自動車ドライバーから自転車の存在を認知されているため、接触や巻き込み事故等が発生しにくくなることが分かる。

以上から、車道の左側と歩道とでは自動車ドライバーからの認知に差があり、交差点進入前には車道の左側を通行していた方が安全であることが分かったとしている。もちろん単に通行していればいいというわけではなく、安全のためには「自転車利用時のルール・マナーの遵守」や「安全対策」も義務だ。両社では、自転車に乗る全ての方が安全・安心な自転車ライフを送るためにも、この機会に自転車利用時のルール・マナーを再確認しようと呼びかけている。

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