2019年7月9日、ツール・ド・フランスは第4ステージが開催された。レース最終盤、主要スプリンターの激しい競り合いを制したのはエリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)。同チームのジュリアン・アラフィリップもマイヨジョーヌを維持した。
ランスからナンシー、ひたすら東へ
第4ステージは、ランスからナンシーへ、ほぼまっすぐ東へ針路をとる213.5km。古代の王たちが戴冠式を行なっていたノートルダム大聖堂(パリにもあるが別の建物)のある街から、金の装飾が煌びやかな世界遺産、スタニスラス広場のある街へ。古都同士をつなぐ、大きな回遊もないまっすぐなルートは、勝負どころに構えるいくつかの丘以外はほぼ平坦という、スプリンターのためのステージだ。
すべての勝負は最終スプリントのためにとばかり、ヨアン・オフレド(フランス、ワンティ・グループゴベール)、フレデリック・バッケアート(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)フレデリケ・ミヒャエル・シェーア(スイス、CCC)の逃げがすぐに許容され、途中のスプリントポイント、山岳ポイントの争い以外は、終盤残り20km弱まで3人の逃げ集団とメイン集団の航行が続いた。
残り20km弱からの攻防、激しく
メイン集団は3人から3分以内の差で落ち着いていたが、残り30km付近から追走を開始。ドゥクーニンク・クイックステップやサンウェブ、ディレクト・エネルジーなど有力スプリンターを擁するチームが集団のペースを一気に上げ、主導権を激しく争う。その中で残り11km付近、いったんリリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクト・エネルジー)が飛び出し独走するが、これを許さない集団がさらにペースを上げて吸収する。
最後は有力スプリンター同士の決戦へ
集団はそのままゴールスプリントに入り、前方の良いポジションにいたアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)、ペテル・サガン(スロバキア、ポーラ・ハンスグローエ)、カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・ソウダル)、エリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)の争いとなった。最後は差し足鋭く、ヴィヴィアーニが抜け出し先着した。2位はクリストフ、3位は僅かにサガンを振り切りカレブ・ユアンが入った。
ヴィヴィアーニはこの勝利で、すべてのグランツールにおけるステージ勝利を達成。時代を代表するスプリンターの1人として自他共に認める実績を獲得した。ドゥクーニンク・クイックステップは昨日に続き連勝となった。個人総合トップのマイヨジョーヌは、引き続きジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が維持した。
明日の第5ステージは、今大会始めての山頂フィニッシュ。3級山岳、2級山岳それぞれ2つずつ登場する、起伏に富んだ175.5kmだ。ツールらしいコースプロファイルの舞台で、本格的に個人総合争いが動き出すのか注目される。