【ツール・ド・フランス2020】今夜開幕!全チーム紹介します③

ニュース

本サイトにはプロモーションが含まれています
©️A.S.O.-Alex-Broadway

コロナ禍で一時期開催が懸念されていた、サイクルロードレース界最大のイベント「第107回ツール・ド・フランス」が現地時間29日夕に開幕する。27日、第1〜3ステージまでの発着地となるニースで出場全チームのプレゼンテーションが行われた。間もなく始まる祭典を楽しんでいただくため、全チーム、全選手をプレゼンテーション時の情報とともに紹介する(前編はこちら)、(中編はこちら)。

AG2Rラ・モンディアル

AG2Rラ・モンディアル出場メンバー

ロマン・バルデ(フランス)
ミカエル・シュレル(フランス)
ブノワ・コヌフロア(フランス)
ナンズ・ピーターズ(フランス)
ピエール・ラトゥール(フランス)
オリバー・ナーセン(ベルギー)
クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス)
アレクシー・ヴィエルモ(フランス)

総合2位、3位と山岳賞を獲得しているロマン・バルデ(フランス)が絶対的エース。今年のコースは山岳が多いだけに、総合優勝へのフランス国民の期待も非常に高いが、アシスト陣がお世辞にも強力とは言えない。バルデが並み居る強豪チームの攻撃を跳ねのけ、どこまで対抗できるか注目だ。

モビスターチーム

モビスターチーム出場メンバー

ダリオ・カタルド(イタリア)
イマノル・エルビティ(スペイン)
エンリク・マス(スペイン)
ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル)
ホセ・ロハス(スペイン)
マルク・ソレル(スペイン)
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
カルロス・ベローナ(スペイン)

長年エースとして引っ張ってきた大ベテラン、40歳のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)が存在感を放ち続けているが、今年はチーム内の後継者と目されるエンリク・マス(スペイン)、マルク・ソレル(スペイン)とどう役割分担していくのかに注目だろう。今シーズンはチームとしてあまり好成績を残せていないだけに、一丸となって戦えるかどうかにかかっている。

B&Bホテルズ – ヴィタルコンセプト

B&Bホテルズ – ヴィタルコンセプト出場メンバー

シリル・バルト(フランス)
ブライアン・コカール(フランス)
イェンス・デブシェール(ベルギー)
シリル・ゴティエ(フランス)
カンタン・パシェ(フランス)
ケヴィン・レザ(フランス)
ピエール・ロラン(フランス)

ワイルドカード枠での出場。期待されつつも長く低迷していたピエール・ロラン(フランス)が、このチームに移籍して山岳コースで復活するかが注目ポイントだ。このほかワイルドカードでの出場なだけに、毎ステージ逃げに誰かを送り込みアピールを行うことも考えられる。

UAEチームエミレーツ

UAEチームエミレーツ出場メンバー

ファビオ・アル(イタリア)
ダビ・デラクルス(スペイン)
ダヴィデ・フォルモロ(イタリア)
アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)
ヴェガールステイク・ラエンケン(ノルウェー)
マルコ・マルカート(イタリア)
タデイ・ポガチャル(スロベニア)
ヤン・ポランツ(スロベニア)

若干21歳のタデイ・ポガチャル(スロベニア)に注目だ。若手の登竜門とされる「ツール・ド・ラヴニール」で総合優勝し、このワールドチームに「出世」。そして昨シーズンはいきなりツアー・オブ・カリフォルニア総合優勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ総合3位と、すでにグランツールで優勝争いできる実力を備えていることを示した驚異の新人である。体調万全ならばダブルエースだったであろうファビオ・アル(イタリア)、牽き役を買って出ると公言しているアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)らベテラン勢の加勢も十分で、表彰台争いに名乗りを上げる可能性は高い。

チームサンウェブ

チームサンウェブ出場メンバー

ニキアス・アルント(ドイツ)
ティシュ・ベノート(ベルギー)
ケース・ボル(オランダ)
マルク・ヒルシ(スイス)
セーアン・クラーウアナスン(デンマーク)
ヨリス・ニューエンハイス(オランダ)
カスパー・ピーダスン(デンマーク)
ニコラス・ロッシュ(アイルランド)

これからの活躍が期待できる若手中心に選出してきた。各賞ジャージや総合争いに顔を出すことはないだろうが、マルク・ヒルシ(スイス)、
セーアン・クラーウアナスン(デンマーク)など、今後スプリンターやルーラーとして名を上げていきそうな逸材が揃っているので、いずれかのステージで輝きを見せる可能性はありそうだ。

ユンボ・ヴィズマ

ユンボ・ヴィズマ出場メンバー

ジョージ・ベネット(ニュージーランド)
トム・デュムラン(オランダ)
ロベルト・ヘーシンク(オランダ)
アムントグレンダール・ヤンセン(ノルウェー)
セップ・クス(アメリカ)
トニー・マルティン(ドイツ)
プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)
ワウト・ファンアールト(ベルギー)

近年のマイヨジョーヌをほぼ独占してきた「チームスカイ」「イネオス・グレナディアス」の牙城を崩す一番手と目される、スターを揃えた超強力布陣だ。前哨戦の「クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ」では、今回エースのひとりとなるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が、落車リタイアとなるまでは圧倒的な力を見せてライバルたちを完全に凌駕していた。ダブルエースとなるトム・デュムラン(オランダ)も元タイムトライアル世界王者であり、実力を発揮すればログリッチとチーム内で総合優勝争いを繰り広げてもまったく不思議ではない。また、それぞれステージ優勝も狙えるワウト・ファンアールト(ベルギー)、ロベルト・ヘーシンク(オランダ)、トニー・マルティン(ドイツ)、セップ・クス(アメリカ)がこの2人をアシストするとなれば、イネオスを完全に上回っていると評価しても言い過ぎではないだろう。

しかし鍵となるのはやはりドーフィネで落車し、複数の擦過傷など負ったログリッチの体調だ。プレゼンテーションの場でも、まだ負傷箇所に包帯をしていた。どこまで回復しているのかに注目したい。

グルパマ・FDJ

グルパマ・FDJ出場メンバー

ティボー・ピノ(フランス)
ウイリアム・ボネ(フランス)
ダヴィ・ゴデュ(フランス)
シュテファン・キュング(スイス)
マチュー・ラダニュ(フランス)
ヴァランタン・マデュアス(フランス)
ルディ・モラール(フランス)
セバスティアン・ライヒェンバッハ(スイス)

昨年、涙のリタイアとなったティボー・ピノ(フランス)の悲願であり、そしてフランス国民の悲願でもあるフランス人の総合優勝に再び挑む。昨年もリタイアするまで総合4位であり、アクシデントによる負傷がなければ少なくとも表彰台は確実だったと評されているだけに、今年も非常に期待がもてる。彼をバックアップする布陣も、事実上フランスナショナルチームである矜持を守り、ほぼ同国人の実力者を揃えている。

ドゥクーニンク・クイックステップ

ドゥクーニンク・クイックステップ出場メンバー

ジュリアン・アラフィリップ(フランス)
サム・ベネット(アイルランド)
レミ・カバニャ(フランス)
ティム・デクレルク(ベルギー)
ドリス・デヴェナインス(ベルギー)
ボブ・ユンゲルス(オランダ)
ミケル・モルコフ(デンマーク)
カスパー・アスグリーン(デンマーク)

昨年、14日間もマイヨジョーヌを着続け、フランス中を熱狂させたジュリアン・アラフィリップ(フランス)。今年もその再来を期待されているが、本来はクラシックレーサーであり、ステージレーサーとしてどこまで適性を伸ばせたかは未知数だ。むしろ、昨年同様タイムトライアルも含めてステージ優勝を重ねただけに、そちらでの成績がより期待できるだろう。サム・ベネット(アイルランド)とともに、各ステージでの活躍が大きく見込める布陣といえる。

イネオス・グレナディアーズ

イネオス・グレナディアーズ出場メンバー

エガン・ベルナル(コロンビア)
アンドレイ・アマドール(コスタリカ)
リチャル・カラパス(エクアドル)
ホナタン・カストロビエホ(スペイン)
ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド)
ルーク・ロウ(英国)
パヴェル・シヴァコフ(ロシア)
ディラン・ファンバールレ(オランダ)

スポンサーが新商品を発売するのに合わせ、ツールからチーム名を「イネオス・グレナディアーズ」に変更。ロゴ、ユニフォームなどチームキットを一新した。今回、チームは昨年王者エガン・ベルナル(コロンビア)だけを選出し、クリス・フルーム(英国)、ゲラント・トーマス(英国)の優勝経験者をともに外して体制をはっきりさせた。ベルナルにとっては希望していた単独エース体制が実現し心置きなく向かえるはずだったが、前哨戦のドーフィネでは調子が上がらずログリッチらの後塵を拝した。最後は「背中の調子がよくない」ことを理由にリタイアしており、少なくとも現時点ではトップフォームではないもようだ。アシスト陣はユンボ・ヴィズマほどの豪華メンバーではないものの一線級の実力者が揃っており、今年のプロトンではユンボ・ヴィズマとともにレースを支配することは明らか。今回のツールは、この2つのチームの一騎打ちを中心に展開されそうだ。

 

こちらもどうぞ